品質管理

DR(デザインレビュー)とトラブル予測★品質管理の基礎知識

デザインレビュー(会議)

今回は品質管理の基礎知識である【DR(デザインレビュー)】について解説!

用語の意味をしっかり確認しておきましょう。

DR(デザインレビュー)の意味と目的

DRはdesign review(デザインレビュー)の略。

DR(デザインレビュー)は日本語で【設計審査】と訳されます。

製品などの設計にインプットするべきユーザーニーズや設計仕様などの要求事項が、設計のアウトプットにもれなく織り込まれ、品質目標を達成することができるかどうかについて審議することを指します。

 

また、DR(デザインレビュー)の目的としては品質確保の向上、開発・製造期間の短縮、納期の遵守などが挙げられます。

品質の確保と向上 顧客の品質に対する要求は多様化し、製品機能も高度化しているため、効率的な製品開発のためには、過去のノウハウや失敗を活かす必要がある

さまざまな角度から設計審査を事前に行っておくことが品質の向上につながる

クレームの再発防止、PL(製造物責任:Product Liability)などの製品欠陥を予防できる

開発・製造期間の短縮 トラブル予測をすることで、見直しなどの期間を短縮できる
納期の遵守 開発から販売に至る各プロセスの納期遅れを予防できる

 

DR(デザインレビュー)とトラブル予測

デザインレビュー(会議)

DR(デザインレビュー)の場には、設計部門だけでなく、製造や営業部門など、関連する他部門の代表者も参加します。(部門例:営業、技術、製造、生産技術、品質管理、資材調達など)

開発の技術的水準やリスクの程度によっては、幹部(経営陣)の参加も必要となるでしょう。

DR(デザインレビュー)では開発・設計段階でも品質不具合(トラブル)を審査することを主目的としていますが、

  • 製品の性能
  • 機能
  • 信頼性
  • コスト
  • 納期

などを含めて、製品企画や設計開発から販売サービスに至るまでの品質保証活動を審査の対象とします。

また過去のトラブル知見を含むあらゆる専門知識を結集して、市場品質を確保するための活動を体系的に行う必要があります。

DR(デザインレビュー)によるトラブル予測とその処置によって、トラブルの未然防止が効果的・効率的に実現できるのです。

 

DR(デザインレビュー)の具体的な内容と実施時期

DRで審議する内容は設計品質に関することと、製造品質に関することの2つに分類できます。

設計品質に関すること 製造品質に関すること
  1. 製品の仕様(性能・機能)は、顧客の要求を満たしているか
  2. 使いやすさ・安全性・信頼性への配慮はどうか
  3. 使用されたときにおこる危険、想定される故障についての検討は充分か
  4. 法令・規制・規格などへの対応は徹底されているか
  5. 環境への影響を把握し、適切に対応しているか
  1. 製品の設計にムダはないか、標準部材を使っているか
  2. JISなどの標準規格および社内の規格を満たしているか
  3. 製造工程や設備の情報が反映されているか
  4. 技術力や人的資源など、製品を実現する能力はあるか

なお、DRの結果は次の製品の開発、設計に役立つように、記録・整理して保存しておくことが大切です。

 

またDR(デザインレビュー)は、設計開始前、実際には図面ができたとき(出図前)と生産に入る前に行います。

DR(デザインレビュー)実施時期 内容
➀設計開始前 設計開発の目標が十分か、適当か、効果的かを判定
②出図前 設計品質を確保するため、図面や試作品の問題点を抽出し、対策を協議
③生産着手前(量産移行前) 製造品質を確保するため、品質のレベルを審議し、製造の力量を確認
(④製品出荷後) クレームなどの不適合が発生した際に行うこともある

 

以上です。

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ありがとうございました。

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