品質管理

品質の概念★QC検定にも出る品質要素や4つの観点かんたん解説

品質要素(狩野モデル)

今回のテーマは【品質の概念】について!

QC検定にも出る内容ですので、受験する方は要チェックです。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉

 

品質の概念①顧客の立場からの品質要素

顧客の立場から分類した品質要素は、5つに分類できます。

以下の表をご覧ください。

魅力的品質 充足されなくても不満はないが、充足されるとうれしい項目
一時的品質 充足されないと不満、充足されるとうれしい項目
当たり前品質 充足されないと不満、充足されてもとくにうれしくない項目
無関心品質 充足されてもされなくても、不満もうれしくもない項目
逆評価品質 充足されると逆に評価を下げる項目

言葉と意味はリンクしているので、自分が買い物をするときをイメージしながら覚えると良いでしょう。

 

また、顧客の立場から分類した品質要素(狩野モデル)は以下のとおり。

品質要素(狩野モデル)

顧客の立場から品質要素を分類することで、より高い顧客満足をつくりだすことができます。

 

 

品質の概念②4つの観点からの品質

品質は4つの観点からみることもできます。

品質の観点

  1. 企画品質
  2. 設計品質
  3. 製造品質
  4. 使用品質

企画品質

企画品質とは、商品企画段階で決まる品質です。

顧客の要求している品質を定義し、製品コンセプトに盛り込む品質とも言えます。

 

設計品質

設計品質とは設計図、製品仕様書などに定められたとおりに作られた品質のこと。

「ねらいの品質」とも呼ばれています。

設計品質の良し悪しは、製品仕様が顧客の要求に合致しているかどうかで決められるのがポイントです。

 

製造品質

製造品質とは、設計品質を実際に製品として製造するときの品質で、「できばえの品質」、「適合品質」とも呼ばれます。

製造品質の良し悪しは、設計品質として要求された品質特性値に合致している程度で定められます。

 

使用品質

使用品質とは、製品を使用者が使ってみた時やサービスを受けた時に、期待する機能を発揮するかどうかで製品・サービスの評価が行われるものです。

使用者が要求する品質または品質に対する使用者の要求度合いを指しています。

 

品質の概念③品質を表す尺度

品質を表す尺度には、強度や耐久回数など数値で測定できる特性のほかにも、人間の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)をとおして得られる人の感覚によって評価される特性があります。

これら感覚器官によって感知される特性を【官能特性】と呼びます。

品質特性を知りたいとき、コストや測定に時間がかかるなど、真の特性が測定できない場合や、官能特性のような感覚を数値で表したい場合には、真の特性と強い関連性のある品質特性を【代用特性】として測定することが合いrます。

 

品質の概念④品質の定義

品質の定義にはいろいろな視点で呼び方が分類されており、そのひとつに工程や部門など役割によって分類される設計品質と製造品質があります。

設計品質と製造品質の違いは以下のとおりです。

設計品質 製造品質
製品の品質特性を設計図や仕様書などでQCDを考慮して目標値を明確にする品質のこと

【ねらいの品質】とも呼ぶ

狙いの品質とは顧客の要求にどれだけ合致しているかが指標となる

ロットやかんきょうなど日々の変化に影響を受けて製造した実際の特性品質のこと

【できばえの品質】とも呼ぶ

製造品質の中でも、設計品質で決められた規格や公差に対して、どの程度合致しているかを表す品質を【適合の品質】と呼ぶ

 

品質の概念に関する例題(QC検定)

それではここで、品質の概念に関するQC検定の類似問題をやってみましょう。

【例題】以下の文章に当てはまる語句を以下の選択肢から選びなさい。

買い手である顧客の要求する品質の特性は、直接測定できるもののほかに、肌触り、味わい深さ、使いやすさなど人の感覚器官によって感知される(➀)がある。

また、真の特性を直接測定することが困難な場合、真の特性と一定の関係(相関関係)にある別の特性を測定することがある。この特性を(②)と呼ぶ。

一方、設計品質は、製造する性質の品質特性を具体的に示し、製造の目標として設定された品質なので(③)とも呼ばれる。

製造品質は、設計品質をねらって製造した製品の実際の品質のことで、(④)ともいう。

製造された完成品や中間製品は、ロットの合格率、工程の不適合品率、平均値、バラツキなどが設計品質とどの程度合致しているかによって評価されるので、(⑤)の品質とも呼ばれる。

【➀~⑤の選択肢】

ア:代用特性、イ:できばえの品質、ウ:合成品質、エ:官能特性、オ:方針特性、カ:条件特性、キ:ねらいの品質、ク:最適品質、ケ:不適合、コ:適合

解答を見る(クリック)

➀エ:官能特性、②ア:代用特性、③キ:ねらいの品質、④イ:できばえの品質、⑤コ:適合

品質特性が充足されていても、とりたてて満足することもないだ、充足されていなければ使用者が強い不満を感じる品質要素を(⑥)という。

一方、期待以上に充足されればとても満足し、充足されなくてもとくに不満を感じずそのまま受け入れられる品質要素を(⑦)という。

【⑥~⑦の選択肢】

ア:顧客満足、イ:過剰品質、ウ:魅力的品質、エ:失望品質、オ:当たり前品質

解答を見る(クリック)

⑤オ:当たり前品質、⑥ウ:魅力的品質

 

品質の概念まとめ

顧客の立場から分類した品質要素

魅力的品質 充足されなくても不満はないが、充足されるとうれしい項目 品質要素(狩野モデル)
一時的品質 充足されないと不満、充足されるとうれしい項目
当たり前品質 充足されないと不満、充足されてもとくにうれしくない項目
無関心品質 充足されてもされなくても、不満もうれしくもない項目
逆評価品質 充足されると逆に評価を下げる項目

品質の観点

企画品質 商品企画段階で決まる品質
設計品質 設計図、製品仕様書などに定められたとおりに作られた品質
製造品質 設計品質を実際に製品として製造するときの品質で、「できばえの品質」、「適合品質」とも呼ばれる
使用品質 製品を使用者が使ってみた時やサービスを受けた時に、期待する機能を発揮するかどうかで製品・サービスの評価が行われるもの

 

以上です。

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ありがとうございました。

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