工程能力とは、定められた規格の限度内で、製品を生産できる能力のこと。
その評価を行う指標のことを工程能力指数といい、一般にCpの記号で表します。
ちなみにこのCpの記号は、Process Capabilityの頭文字を組み合わせたものです。
今回は工程能力指数の計算やcpkをかんたん解説!
3分くらいでサクッと読めますのでぜひご一読ください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉
目次
工程能力指数の計算やCpkの考え方
両側規格の求め方
両側規格とは、平均値が中央にある場合のことです。
そして両側規格の場合、Cpの計算式は以下のとおり。
Cp=(規格値の上限ー規格の下限)/6×標準偏差
片側規格の求め方
一方で、片側規格は平均値を中央にコントロールできない場合、CpだけでなくCpkを併用します。
まずはそれぞれの計算式を示すとこんな感じです。
①上限の規格の場合
Cp=(上限ー平均値)/3×標準偏差
②下限の規格の場合
Cp=(平均値ー下限)/3×標準偏差

そして上限と下限のCpそれぞれを求め、小さいほうがCpkとなります。
ここでひとつ、例題をやってみましょう!
例題)上限規格値52、下限規格値20、平均値50、標準偏差3のとき、①工程能力指数Cpと②偏りを考慮した工程能力Cpkを求めなさい。
【解答】
①工程能力指数Cp=(52-20)/(6×3)≒1.78
②偏りを考慮した工程能力指数Cpkは、それぞれの片側規格の小さいほうであるから
A(上限規格):Cp=(上限ー平均値)/3×標準偏差
Cp=(52-50)/(3×3)≒0.22
B(下限規格):Cp=(平均値ー下限)/3×標準偏差
Cp=(50-20)/(3×3)≒3.33
よってCpk=0.22
となります。
工程能力指数の判断基準
工程能力指数の判断基準は以下のとおり。
Cpの判断基準 | |
Cp≧1.67 | 十分すぎる |
1.67>Cp≧1.33 | 十分満足している |
1.33>Cp≧1.0 | まずまずである
十分な状態に改善する |
1.0>Cp≧0.67 | 不足しているので1.33となるように改善処置をとる |
Cp<0.67 | 非常に不足している
原因を究明し、是正処置をとる |

一方で、なぜCp=1.33以上になるとよいのでしょう?
それを理解するにはまず、一般的なN(μ,σ²)において、μ±aσの範囲に入る確率を知る必要があります。
図は以下のとおりです。
a=1のときはμ±σ≒68%
a=2のときはμ±2σ≒95%
a=3のときはμ±3σ≒99.7%
Cp=規格値の幅/6sで求めることができるため、規格値の幅8sだけとると、
Cp=8s/6s≒1.33となります。
このことは、工程能力指数Cpが1.33であれば、不適合品(規格を外れたもの)は、ほとんど発生していないことを表しています。
よって工程が満足な状態にあるためには、Cp=1.33が判断基準として使われているというわけです。
例題)
製品Cの全長規格は13±0.1cmです。標準偏差が0.05であるときの工程能力指数とその判断基準を答えなさい。
【解答】
①Cp=(規格値の上限ー規格の下限)/6×標準偏差
より、(13.1ー12.9)/(6×0.05)=0.2/0.3≒0.67
判断基準は、1.33よりも小さいため工程能力が不足していると言えます。
まとめ
工程能力指数Cp | ||
Cp=(規格値の上限ー規格の下限)/6×標準偏差 | 両側規格の場合 | |
Cp=(上限ー平均値)/3×標準偏差 | 片側規格の場合(上限) | 片側規格のCpkは、上下限の値の小さい方をとる |
Cp=(平均値ー下限)/3×標準偏差 | 片側規格の場合(下限) |
以上です。
参考になればうれしいです。
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ありがとうございました。