物理・材料

プラスチックの原料って何?大人になって学ぶプラスチックの世界

プラスチック原料
こんにちは、機械エンジニアのShoheiです

今回のテーマは身近でよく使われている【プラスチック】

だけど皆さん、プラスチックの原料ってパッと答えられますか?

・・・分からん(笑)

そう、意外と知らない人も多いかと思います:-)

そんなわけで、大人になってから学ぶ!【プラスチック】の世界を見ていきましょう!

 

プラスチック(原料)は【ナフサ】という油からできている!

石油

プラスチックの原料は【石油】です。(※石油の基本となるのは酸素(O)、水素(H)、炭素(C)の3つの元素)

そしてさらにくわしく言うと、プラスチックは石油を精製して得られる「ナフサ」という油を熱分解反応させたものを原料としています。

 

石油は地下深くに埋蔵されていて、掘り出されたままの石油は原油とよばれ、ドロドロの真っ黒な液体です。

この原油を精製プラントで加熱し蒸留すると、いったん蒸気になり、冷やしていく中で

  • ガソリン
  • 灯油
  • 軽油
  • 重油
  • アスファルト
  • ナフサ

などのさまざまな成分の油に分別していきます。

この過程で生まれるのが「ナフサ」というわけ。

ナフサは常温で蒸発しやすい性質をもつ油で、さらに精製するとガソリンになります。

未精製のガソリンであるため、塑性ガソリンと呼ばれることもありますよ 🙂

 

プラスチック原料【ナフサ】からプラスチックができるまで

プラスチック

ナフサ(液体)を800℃以上の高温の炉の中に送り込むと「熱分解反応」という反応を起こします。

そこで、モノマーと呼ばれる水素や炭素が結びついた分子である気体の

エチレン

プロピレン

などのプラスチックのもとになる石油化学基礎製品がつくられます。

これらの分子をつなぎ合わせると、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック原料ができます。

そしてこれらの原料に、製品を加工しやすくするため添加剤を入れて小さな粒にしたものをペレットと言いますので覚えておきましょう。

 

ちなみにプラスチックができるまでの流れは以下の通りです。

プラスチックの作り方

  1. 原油
  2. 石油精製(工場)※原油を熱する
  3. ナフサを精製※ガソリン、灯油、軽油、重油、アスファルトなどもつくられる
  4. プラスチック原料
  5. プラスチック加工
  6. プラスチック製品
プラスチックの原料は、昔は石油ではなく石炭だったよ

ちなみにプラスチックの種類をかんたんにまとめるとこんな感じ!

分類 プラスチック種別 主な用途
熱可塑性樹脂 ポリエチレン樹脂 イス、テーブル
ポリプロピレン樹脂 イス、テーブル
塩化ビニル樹脂 壁紙、ビニルレザー
ポリアミド(ナイロン)樹脂 部品(キャスターなど)
ポリカーボネート樹脂 イス、ガラスの代用
アクリル樹脂 ガラスの代用
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート) ペットボトル
熱硬化性樹脂 ポリウレタン樹脂 クッション材、断熱材
フェノール樹脂 合板の接着剤
不飽和ポリエステル樹脂 FRP、合板の化粧材
メラミン樹脂 合板の接着剤

熱可塑性は「熱するとやわらかくなるもの」、熱硬化性は「熱すると硬くなるもの」です。

 

原油からプラスチック原料となるのはたったの3%程度

原油のほとんどは自動車や発電所などのエネルギーとして使われます。

そしてプラスチック原料となるのは全体の3%程度しかありません。

プラスチックに必要な石油の量は意外と少ないことが分かりますね。

とは言え、石油の価格は世界情勢により大きく変動し、石油の価格上昇はプラスチック製品の価格上昇に直結しているのです。

 

以上です。

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ありがとうございました。

 

 

 

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