品質管理

SPC管理についてわかりやすく!統計的工程管理の方法とは?

SPC管理
今回のテーマは【SPC】

製造や機械、自動車分野などで必須となる用語を、機械エンジニアである僕がわかりやすく解説していきます。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

SPC管理(統計的工程管理)とは何?

データ分析

SPCとは【Statistical Process Contorol】の略。

「統計的工程管理」とも呼ばれます。

製品の工程管理改善のため、各々の製造工程データを統計的に処理していきます。

また、完成品の品質を左右するデータを各製造工程で測定・監視して、最終段階で不良品が出ないようにする方法とも言えますね。

たとえば、製造工程でさまざまなデータを取得し、それを統計学的に処理することで工程異常を防ぎます。

さらに製造にかかる手間を削減するために製造工程が効率化でき、不良品を取り除くのではなく不良品の発生を未然に防ぐことで、費用のムダをなくせるのも特徴です。

 

SPC管理(統計的工程管理)の方法

SPC管理の方法はこちら 🙂

SPC管理方法

  1. 管理図を使って管理
  2. Cpkを使って管理

管理図を使って管理

管理図(図解)

SPCでは「管理図」がよく使われます。

この管理図を使う理由は、偶発的に生じた品質のばらつきと、何かしらの異常に起因するばらつきを区別するためです。

偶発的に生じたばらつきは、原因を調べてもあまり意味はありませんが、異常に起因するものは、すばやく異常を特定し、原因を除去する必要があります。

管理図にはいくつかの種類がありますが、SPCで代表的なのはXbar-R管理図です。

X管理図とR管理図を上下に並べたもので、双方の図には規格(管理)限界線が上下に引かれ、その間を長さや重さである平均値や、最大値・最小値などの範囲が上下します。

平均値や範囲が管理境界線を超えたり、異様な偏りなどが見られたりした場合、異常が発生したといえます。

管理図についてさらにくわしく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

 

Cpk(工程能力指数)を使って管理

管理図のほかにも、製造工程が健全か判断できる「Cpk」を用います。

Cpkは工程能力指数とも呼ばれ、規格を満たす製品を安定して作り続ける製造工程の能力のことです。

この数値が大きいほど、品質が安定していると言われ、具体的には、XbarーR管理図を使って、工程能力指数は以下の2つのうち数値が小さいほうと定義されます。

  • (CL-LSL)/3σ
  • (USL-CL)/3σ

上の2つの計算式はどちらも、限界値と平均値の差を3σで割ったものです。

したがって、工程能力指数は、製品品質が不安定になる(平均値が限界値に近づく)につれ、小さくなります。

一方で、用語の意味は以下のとおり 😀

用語 意味
CL 品質(Xbar)の平均値
LSL 下方規格限界線
USL 上方規格限界線
LCL 管理限界線(下)
UCL 管理限界線(上)
σ 標準偏差、管理限界値は3σ

【関連記事】

管理図の管理限界線について(UCL・LCL)

【簡単】工程能力指数★計算やcpkを解説!3分でわかる品質管理

 

SPC管理とSQC管理のちがいと共通点

2つの違いはこんな感じ 🙂

SPC SQC
工程管理が主

製品の工程管理改善のため、各々の製造工程データを統計的に処理

完成品の品質を左右するデータを各製造工程で測定・監視して、最終段階で不良品が出ないようにする

 品質管理が主

製造業において材料や従業員が製品の品質に与える影響を管理・改善すること

製造工程や製品からデータを収集し、統計学的な処理を行う

 

一方で、SPCとSQCの共通点は、どちらもQC7つ道具(統計的手法)を用いることです。

QC7つ道具とは以下のとおり。

qc7つ道具

  1. パレート図
  2. グラフ
  3. 特性要因図
  4. チェックシート
  5. ヒストグラム
  6. 管理図
  7. 散布図

さらにくわしくは以下の記事をご覧ください。

QC7つ道具の覚え方★事例などでわかりやすく解説

 

以上です。

ありがとうございました。

 

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