宝くじで1等はなかなか当たりませんが、1等に比べれば5等や6等ならよく当たりますよね。
このように、ある事柄の起こりやすさ(可能性)が問題になるとき、それを数値で表したものを【確率】と言います。
たとえば、2枚の硬貨(100円、500円)を投げる時、考えられる可能な結果は次の4通りです。
(100表、500表)(100表、500裏)(100裏、500表)(100裏、500裏)
これを試すときに、表が出た枚数をXとし、そのときの確率P(X)とすると、
X=0のとき、P(0)=1/4
X=1のとき、P(1)=1/4+1/4=1/2
X=2のとき、P(2)=1/4
このように、変数(X)が定まった確率の値をとるとき、その変数を「確率変数」といい、変数と確率の関係を【確率分布】と呼んでいます。
そんなわけで今回は【確率分布】についてわかりやすく解説!
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
目次
確率分布をわかりやすく!種類別(正規分布・二項分布・ポアソン分布)例題つき
確率分布の種類は主に以下の3つです。
確率分布の種類
- 正規分布(ガウス分布)
- 二項分布
- ポアソン分布
正規分布(ガウス分布)
正規分布とは、連続した左右対称な分布で、その確率密度関数f(x)は以下のとおり。
確率密度関数f(x)=1/√2πσ²×exp(-(x-μ)²/2σ²)
π:円周率
е:自然対数の底(2.718…)
μ:平均値
σ²:分散
上記の図解からも分かるように、正規分布は平均値=μと分散=σ²とによって定まっており、一般的にN(μ、σ²)と表します。
また正規分布でxがN(μ、σ²)に従う時、
確率変数Z=(x-μ)/σ
とおくと、xをN(0、1²)と変換でき、それを【標準化】あるいは【基準化】と呼びます。
そして置き換えたZも確率変数です。
確率変数Zは期待値(平均値)=0、分散=1²の正規分布に従い、このような正規分布N(0、1²)を【標準正規分布】と言います。
またN(0、1²)は正規分布表としてまとめられていますので、確認してみてください。
例題)N(10、2²)の正規分布で、13.5より大きい値が得られる確率を求めなさい。
解答)
Z=(x-μ)/σより、
Z=(13.5-10)/2=1.75
正規分布表からKp=1.75における確率Pを求めると、0.040059が得られます。
さらにくわしくは以下の記事をご覧ください。
正規分布とは?わかりやすく標準偏差との関係や見方をていねい解説
二項分布
X=0、1、2…nのそれぞれの値の出現する確率P(x)が、
P(x)=nCx ×p^x×(1-p)^n-xで与えられる分布を二項分布といいます。
ココで言うnCx は組み合わせの数を指し、サンプル中の不適合品個数の分布を表すときに用いられることが多いです。
たとえば、₅C₂=5×4/2×1=10と計算されます。
また二項分布はB(n、p)で表されます。
その期待値と標準偏差はそれぞれ
E⒳=np
σ⒳=√np(1-p)
と表すことができます。
例題)サイコロを6回投げて1の目がx回でるときの確率は二項分布に従う。x=2のとき、P(2)の確率を求めなさい。
解答)p=1の目が出る確率は1/6
p=1の目が出ない確率は1-1/6=5/6
ココで、
P(2)=₆C₂×(1/6)²×(5/6)⁴=6×5/2×1×1/36×625/1296≒0.201
ポアソン分布
ポアソン分布は、まれにしか起こらない現象の出現頻度分布に当てはまると言われています。
母平均μが与えられたときに事象がx回出現する確率を表すポアソン分布の一般式は以下のとおりです。
P(x)=μ^xе^(-μ)/x!
μ:母平均
x:0、1、2、3…
е:自然対数の底(2.718…)
例題)ドア1枚あたりのキズ数が一定単位中に表れる欠点数の確率がポアソン分布に従うとき、キズの平均=3個である場合に、①キズが1つもない確率と②キズが1つある確率を求めなさい。
解答)
①キズがひとつもない確率はμ=3、x=0の場合。よって、
P(0)=е^(-3)
=0.0498
②キズが1つある確率はμ=3、x=1の場合。よって、
P(1)=3е^(-3)
=0.1494
確率分布まとめ
ある事柄の起こりやすさ(可能性)が問題になるとき、それを数値で表したものを【確率】と呼ぶ
変数(X)が定まった確率の値をとるとき、その変数を「確率変数」といい、変数と確率の関係を【確率分布】という
確率分布 | ||
正規分布 | 正規分布とは、連続した左右対称な分布 | 確率密度関数f(x)=1/√2πσ²×exp(-(x-μ)²/2σ²) |
二項分布 | サンプル中の不適合品個数の分布を表すときに用いられる | 確率P(x)=nCx ×p^x×(1-p)^n-x |
ポアソン分布 | まれにしか起こらない現象の出現頻度分布 | 確率P(x)=μ^xе^(-μ)/x! |
以上です。
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ありがとうございました。