品質管理

PFMEAとは?DFMEAとの違いやFMEA・CPとの関連性まとめ

pfmea

今回のテーマは【PFMEA】

PFMEAはFMEAの工程に関することですが、他とどんな違いや関連性があるのか気になりますよね。

というわけで、PFMEAについて、定義や目的、作成例、DFMEAとの違いやCPとの関連性について解説していきます。

PFMEAとは?DFMEAとの違いやFMEA・CPとの関連性

まずはPFMEAの定義から見ていきましょう。

PFMEAとは?

PFMEAとはProcess Failure Mode and Effects Analysisの略であり、FMEAの工程に関することです。

FMEAとは、品質管理などにおける【故障モード影響解析】のことであり、一般的には「ボトムアップ法」と呼ばれています。

アメリカのグラマン社が新しいジェット戦闘機の開発において、油圧機器を用いた操縦システムの信頼性を評価する方法として、この解析方法を採用したと言われています。

大きな問題を発生させる要因がどこに潜んでいるのかを摘出する手法で、故障率の高い故障モードを設計変更により未然に除去することができます。

PFMEAの目的

PFMEAの目的は、DFMEAおよび顧客により定義された品質、信頼性、保全性、コスト、および生産性に関する技術的解決策を定義、実証し、最大限に活かすことです。

製造関係の品質管理によく使われています。

PFMEAとDFMEAの違い

DFMEAとは、D:design(設計)段階でのFMEAを指し、Design Failure Mode and Effects Analysisの略です。

よってPFMEAとDFMEAのちがいは以下のとおり!

FMEA

品質管理などにおける【故障モード影響解析】のことであり、一般的には「ボトムアップ法」と呼ばれている

PFMEA DFMEA
FMEAの工程に関すること FMEAの設計に関すること

どちらもFMEAの一部であり、工程や設計段階における故障モード影響解析を指します。

DFMEAについてさらに詳しくは以下の記事をご覧ください。

【関連記事】

DFMEAとは設計段階でのFMEA!考慮すべき事項や基準例

 

PFMEAを作成する上での注意点

PFMEAをつくるうえで、全般的な懸案事項は、

  • 工程運営上の要求事項が決定されているか
  • 有効性のファクターが確立されているか
  • 工程の保全コンセプトが決定されているか

などが挙げられます。

またさらに具体的な作成上の質問事項はこんな感じです。

PFMEA作成質問事項

  • 工程で産出される副産物は何か
  • 工程ではどう使われ、手入れされ、修理され、寿命が来た時に廃棄されるかどうか
  • 製品製造のステップは?
  • 使用されるエネルギーは何?
  • 誰が工程を動かし、その能力および限界はどれくらいか
  • 工程は費用効率が高いか
  • 工程の真のパフォーマンスと有効性とは何か
  • 製品の働きと意図された用途は?
  • 工程はどのようにその機能を果たすのか
  • 工程において使用される材料、部品は何か
  • どのようにして、どんな条件下で他の工程と連結しているか

PFMEAの作成例とCPとの関連性

それでは実際にPFMEAの作成例を見ていきましょう。

PFMEAの作成例

以下の表は、ドアパネル内側にワックスを塗布する例のPFMEAです。

工程/機能 要求事項 潜在故障モード 潜在的故障影響 厳しさ 分類 潜在的故障原因
OP70:ドアパネル内側にワックス塗布 内側ドアの下部に規定厚のワックスを塗る 規定面に不十分なワックス塗布 内側ドアパネルの完全性が損なわれている

内側口ワードパネルの腐食

【ドア寿命の劣化】

  • 時間の経過とともに塗装面が錆び、外観不良となる
  • ドア内部の機能障害
7 スプレーヘッドの人手による差込深さが減る
 スプレーヘッドの詰まり

粘度が高すぎる

温度が低すぎる

圧力が低すぎる

スプレーヘッドが衝撃で変形
スプレー時間不十分
通常のワックス塗布

→つづき

現行のプロセス リスク優先数 推奨処置
予防管理 発生度 検出管理 検出度
なし 8 膜厚測定および塗布範囲チェック 5 280 スプレーの差込リミット装置の追加
作業開始時および作業中断後のテストスプレーならびにスプレーヘッド清掃の予防保全プログラム 5 膜厚測定および塗布範囲チェック 5 175 スプレーの自動化
粘度、温度、圧力の関係に対して、実験計測法の適用
ヘッドに対する予防保全プログラム 2 膜厚測定および塗布範囲チェック 5 70 なし
なし 5 作業指示書、ならびに重要部分に塗布されているかのチェックをロットサンプリングで実施 7 245 スプレータイマーの設置

→つづき

責任者との完了期限 処置結果
処置完了日 厳しさ 発生度 検出度 リスク優先数
製造技術

OX 10 15

リミット追加

オンラインでチェック

7 2 5 70
製造技術

OX 12 15

同一ラインで異なるドアを扱う複雑さのため却下
製造技術

OX 10 01

温度と圧力の限界値を決め、リミット制御装置を設置

管理図によるとプロセスは管理状態にある

Cpk‐1.85

7 1 5 35
保全

××/××/××

自動スプレータイマー装置

作業員がスプレーを開始し、時間がくるとタイマーが遮断する

管理図によるとプロセスは管理状態にある

Cpk‐2.05

7 1 7 49

PFMEA・FMEAとCp・Cpkの関連性

また、CpおよびCpkとのリンクが必要です。

Cpは「完全に管理された理想の工程」を想定したものであり、Cpkは「偏りを考慮したより実務的な工程」の数値を表すものです。

工程能力指数の判断基準は以下のとおり。

Cpの判断基準
Cp≧1.67 十分すぎる
1.67>Cp≧1.33 十分満足している
1.33>Cp≧1.0 まずまずである

十分な状態に改善する

1.0>Cp≧0.67 不足しているので1.33となるように改善処置をとる
Cp<0.67 非常に不足している

原因を究明し、是正処置をとる

基本はCpが1.33以上だと満足していると覚えておこう
工程能力指数Cp
Cp=(規格値の上限ー規格の下限)/6×標準偏差 両側規格の場合
Cp=(上限ー平均値)/3×標準偏差 片側規格の場合(上限) 片側規格のCpkは、上下限の値の小さい方をとる
Cp=(平均値ー下限)/3×標準偏差 片側規格の場合(下限)

FMEA(PFMEA、DFMEAを含む)を決定する際には、Cp やCpkについても併せて確認してください。

【関連記事】

【簡単】工程能力指数★計算やcpkを解説!3分でわかる品質管理

PFMEAとDFMEAとの違いとは?FMEAやCPとの関連性まとめ

PFMEAとはProcess Failure Mode and Effects Analysisの略であり、FMEAの工程に関すること!

FMEA

品質管理などにおける【故障モード影響解析】のことであり、一般的には「ボトムアップ法」と呼ばれている

PFMEA DFMEA
FMEAの工程に関すること FMEAの設計に関すること

PFMEA作成質問事項

  • 工程で産出される副産物は何か
  • 工程ではどう使われ、手入れされ、修理され、寿命が来た時に廃棄されるかどうか
  • 製品製造のステップは?
  • 使用されるエネルギーは何?
  • 誰が工程を動かし、その能力および限界はどれくらいか
  • 工程は費用効率が高いか
  • 工程の真のパフォーマンスと有効性とは何か
  • 製品の働きと意図された用途は?
  • 工程はどのようにその機能を果たすのか
  • 工程において使用される材料、部品は何か
  • どのようにして、どんな条件下で他の工程と連結しているか

以上です。

ありがとうございました。

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