品質管理

DFMEAとは設計段階でのFMEA!考慮すべき事項や基準例

dfmea

 DFMEAとは?

設計

DFMEAとは、D:design(設計)段階でのFMEAを指します。

Design Failure Mode and Effects Analysisの略です。

ちなみにFMEAとは、品質管理などにおける【故障モード影響解析】のことであり、一般的には「ボトムアップ法」と呼ばれてるよ。

FMEAについて確認したい方は以下の記事をご覧ください。

FMEAとは故障モード影響解析!FTAとの違いもサクッと解説

 

DFMEAの範囲決定

DMEAの範囲決定をするうえで、該当するコンポーネント、サブシステム、システムに関して考慮するポイントは以下のとおりです。

ポイント

  1. 製品はどのような工程、はめ合わせる相手部品またはシステムとインターフェースがあるのか?
  2. ほかのコンポーネントやシステムに影響を及ぼす製品の機能や特性は?
  3. 製品の意図した機能を達成するのに必要なほかのコンポーネントやシステムからのインプットはあるのか?
  4. 連結されたほかのコンポーネントやシステムの潜在故障モードを予防または検出する製品機能はあるのか?

考えられる故障や影響について洗い出しましょう。

 

DFMEAでの製造・組み立て性とサービス性(メンテナンス)の考慮

DFMEAで考慮すべき内容は、製造・組み立て性とサービス性(メンテナンス)に分けられます。

例を挙げておきますので参考にして下さい。

製造・組み立て性の考慮

製造・組み立ての技術的、物理的限界を考えます。

例)

  • 金型に必要な逃げ勾配
  • 表面仕上げの能力限界
  • 組み立てスペース(例:工具を入れる隙間)
  • 公差/工程能力/工程性能

 

サービス性(メンテナンス)の考慮

製造が市場での使用段階に入った時のサービスおよびリサイクル上の技術的、物理的限界を考えます。

例)

  • 工具を入れる隙間
  • 故障診断能力
  • 材料分類記号(リサイクル用)
  • 製造工程で使われている材料/化学物質

 

DFMEAの発生度&検出度評価基準案

また、DFMEAでは、故障などの発生度、検出度において、評価基準(案)を設けます。

一例として参考にしてください。

発生度評価基準(案)

故障の起こりにくさ 基準:原因の発生‐DFMEA

(部品/車両の故障寿命/信頼性)

基準:原因の発生‐DFMEA

(部品/車両毎の発生)

ランク
非常に高い 経験のない新技術/新設計 >100/1000

>1/100

10
高い 新設計、新規適用または負荷サイクル/使用条件の変更により故障は避けられない 50/1000

1/20

9
新設計、新規適用または負荷サイクル/使用条件の変更により故障は起こりうる 20/1000

1/50

8
新設計、新規適用または負荷サイクル/使用条件の変更により故障は不透明 10/1000

1/100

7
中程度 類似設計や設計シュミレーション/テストの結果で頻繁な故障 2/1000

1/500

6
類似設計や設計シュミレーション/テストの結果で時折り故障 0.5/1000

1/2000

5
類似設計や設計シュミレーション/テストの結果で単発の故障 0.1/1000

1/10000

4
低い ほとんど同じ設計や設計シュミレーション/テストの結果でまれな故障 0.01/1000

1/100000

3
ほとんど同じ設計や設計シュミレーション/テストの結果で故障は観察されない <0.001/1000

1/1000000

2
非常に低い 予防管理で故障は除去されている 予防管理で故障は除去されている 1

検出度評価基準(案)

検出の機会 基準:設計管理による検出可能性 ランク 検出可能性
検出の機会なし 設計管理なし:検出できないまたは解析されない 10 ほとんど不可能
いかなるステージにおいても検出不能 設計解析/検出管理は検出能力が弱い:仮想解析(例:CAE、FEAなど)は実際の作動条件に相関がない 9 非常に困難
量産出図以降で量産開始前 量産出図以降で量産開始前段階での製品検証/妥当性確認が合否判定のみ

(サブシステムやシステムで故障が起こるまでテストする、システム相互作用テストなど)

8 困難
量産出図以降で量産開始前の故障限界テスト

(サブシステムやシステムで耐久性試験後の機能チェックなど)による製品検証/妥当性確認

7 非常に低い
量産出図以降で量産開始前の劣化テスト

(サブシステムやシステムで耐久性試験後の機能チェックなど)による製品検証/妥当性確認

6 低い
量産出図前

量産出図前の合否判定テスト(例:性能、機能、チェック等)による製品妥当性確認(信頼性テスト、開発、妥当性確認) 5 中程度
量産出図前の故障限界テスト(例:漏れ、座屈、クラック等)で製品妥当性確認(信頼性テスト、開発、妥当性確認) 4 ある程度高い
量産出図前の劣化テスト(例:データの傾向、テスト前後の値等)で製品妥当性確認(信頼性テスト、開発、妥当性確認) 3 高い
仮想解析‐相関 設計解析/検出管理が強い検出能力をもっている

量産出図前の仮想解析(例:CAE、FEA等)が現実のまたは予想されている作動条件に高い相関がある

2 非常に高い
検出は適用されない:故障の予防 設計処置(例:実証済みの設計標準、ベストプラクティス、共通の材料等)により故障原因やモードが完全に除去されている 1 ほぼ確実

 

以上です。

興味のある方は、以下の関連記事もぜひ併せてご覧ください。

ありがとうございました。

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