物理・材料

応力とは?単位や種類・関連公式かんたんまるわかり

応力(定義×種類×公式)
応力についてまとめましたのでぜひどうぞ!

 

応力とは?

応力とは、外部から加えられた力(荷重)に対して抵抗する力のことです。

たとえば、丸太に人が乗ることで、丸太はわずかにたわみ(沈み込むこと)が発生するかもしれませんが、見た目はそれほど大きな変化は現れず静止していますよね。

このとき、人が乗った力(荷重)に抵抗するために、丸太の両端には反力が発生し、丸太(はり)の内部にも力が発生します。

この荷重に抵抗して丸太(はり)に発生する抵抗力が【応力(stress)】と呼ばれるものです。

 

応力の種類と単位

応力の種類には以下のとおり。

応力の種類

  1. 軸力
  2. せん断力
  3. 曲げモーメント

 

軸力

軸力(圧縮・引張)

軸力とは、はりの軸方向(長さ方向)にはりを圧縮したり、引っ張ったりする力です。

圧縮力は「はり」の両端を押し付ける力によって生じ、引張力は両端を引っ張る力によって発生します。

単純ばりで、支点の一方を可動するとすると、水平稼働ができるために、温度による延び縮みによって軸力は発生しませんが、両方とも回転支点とすると軸力が発生します。

 

せん断力

せん断力

せん断力とは、はりや物体をせん断する力です。

はりに作用する荷重を支点まで伝える間、はりのすべての部分ではりを断ち切ろうとする力が発生します。

たとえば、ハサミで紙を切ろうとするときに、ハサミの両刃が紙に作用する力が【せん断力】です。

切断しようとする紙の微小な部分を上下から両刃が押し込むことで、その部分に力が発生します。

はさみで紙を切る(せん断力)

【関連記事】

せん断応力の計算例題と単位|よくわかる力の基礎知識

曲げモーメント

曲げモーメント

曲げモーメントは、荷重がはりを凸にたわんだ湾曲形に変形させようとする力です。

はりの全長にわたって発生します。

はりに上から荷重が作用する場合には、はりは下に凸の形に変形し、はりの内部では上側が圧縮、下側が引張の応力が発生します。

【関連記事】

曲げモーメントについて★パッと見分かる曲げモーメント図付き

 

そして応力の単位は以下のとおりです。

応力の種類 単位
引張力 kN、N(正値)
圧縮力 kN、N(負値)
せん断力 kN、N(正負値)
曲げモーメント kNm、Nm(正負値)

 

ちなみに応力に似ている力は【応力度】

応力度とは、「単位面積当たりの応力」です。

応力 応力度
部材内部に発生する抵抗力(内力)

kN(キロニュートン)

単位面積当たりの応力

kN/㎡

 

 

応力に関連する(計算)公式

応力に関連する公式をまとめましたので参考にしてください。

応力とひずみ

名称 公式 定義
応力(度) σ=P/A σ=応力、P=内力、A=断面積
せん断応力 τ=P/A τ=せん断力、P=内力、A=断面積
縦ひずみ(引張ひずみ) ε=δ/l ε=縦ひずみ、δ=変形量(伸び)、l=長さ
横ひずみ(圧縮ひずみ) ε’=-ε’/d ε’=横ひずみ、d=幅
ポアソン比 ν=|ε’/ε| ν=ポアソン比

縦ひずみと横ひずみの比は材料の種類ごとに一定

せん断ひずみ γ=δ/l γ=せん断ひずみ、δ=変形量、l=長さ

フックの法則や公称応力

名称 公式 定義
①フックの法則 σ=Eε σ=垂直応力、E=ヤング率、ε=垂直ひずみ
②フックの法則 τ=Gγ τ=せん断応力、G=せん断弾性係数、γ=せん断ひずみ
③フックの法則 P=Kεv P=部材が一様な圧力、K=体積弾性率、εv=体積ひずみ
公称応力 σn=P/A₀ σn=公称応力、P=荷重、A₀=断面積(変形前)

破断における荷重Pを破断前の断面積で割ったもの

公称ひずみ εn=δ/l₀ εn=公称ひずみ、δ=変形量(伸び)、l₀=長さ(変形前)
真応力 σt=P/A σt=真応力、P=荷重、A=断面積

荷重が作用して物体が伸びたとき、断面積が減少することを考慮した応力

ひずみ(微小増加量) dε=dl/l dε=ひずみ(微小増加量)、d=幅、ⅼ=長さ(標点距離)
破断の伸び率 Φ=(l’-l)/l×100% Φ=破断の伸び率、l’=破断後の長さ、ⅼ=長さ(標点距離)
破断の絞り φ=(A-A’)/A×100% φ=破断の絞り、A=標点間の元の断面積、A’=破断後の最小断面積

許容応力と安全率

名称 公式 定義
安全率 S=σs/σa S=安全率、σs=材料の基準となる強さ、σa=許容応力
許容応力 σa=σs/S σa=許容応力、S=安全率、σs=材料の基準となる強さ

 

以上です。

材料工学公式集★一覧表でかんたんまるわかり

ありがとうございました。

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