ヤング率Eとは材料の硬さを表す指標のひとつ。
そしてポアソン比とは、縦ひずみεと横ひずみε’との比のことです。
関連公式は以下のとおり。
応力σ=ヤング率E×ひずみε
ポアソン比ν=|ε’/ε|
ちなみにポアソン比νは0~0.5の範囲にあり、特殊な材料を除きほとんどの材料で0.3付近の値をとります。(単位なし)
そんなわけで、今回は材料別にヤング率とポアソン比の関係を表にまとめました。
参考にしてください。
目次
ヤング率一覧(工業材料別)ポアソン比とヤング率の関係や公式について
工業材料の機械的性質まとめはこちら 🙂
材料別になっていますので、ヤング係数やポアソン比、引張強さなどの確認にお使いください。
材料 | 縦弾性係数
ヤング率 E(GPa) |
横弾性係数
せん断弾性係数 G(GPa) |
ポアソン比
ν |
降伏点(体力)
σ₁(MPa) |
引張強さ
σ₂(MPa) |
軟鋼
(0.1~0.3%C) |
205 | 80 | 0.3 | 245 | 392 |
硬鋼
(0.4~0.6%C) |
205 | 80 | 0.3 | 372 | 490 |
Ni-Cr鋼(熱処理) | 205 | 80 | 0.3 | 686 | 882 |
鋳鋼 | 205 | 80 | 0.3 | 343 | 588 |
鋳鉄 | 98 | 34 | 0.3 | 157 | 196 |
銅 | 126 | 46 | 0.33 | 軟質:88 | 軟質:225 |
硬質:294 | 硬質:314 | ||||
アルミニウム | 69 | 27 | 0.33 | 軟質:29 | 軟質:69 |
硬質:127 | 硬質:137 | ||||
ジュラルミン | 69 | 27 | 0.33 | 245 | 294 |
鉛 | 17 | 7.6 | 0.45 | - | 20 |
ガラス | 69 | - | 0.22 | - | 39 |
合成樹脂 | 4 | - | 0.3 | - | 69 |
縦弾性係数Eはヤング率(ヤング係数)と呼ばれ、材料固有の値です。
さらに横弾性係数(せん断弾性係数)GもEと同じく材料固有の値なので覚えておくと良いでしょう。
ポアソンは物理、地理、数学者とも言われたフランス出身の人物名で、本名は【シメオン・ドニ・ポアソン】
言わずもがな、ポアソン比やポアソン分布、ポアソン方程式などを発見した人です。
またポアソンは、1年あたり平均0.61人の兵士が馬に蹴られて死ぬ軍隊において、「1年に何人の兵士が馬に蹴られて死ぬかの確率の分布」を発表しました。
それが歴史上で初めてポアソン分布が使われた事例だと言われていますよ 🙂
ヤング率やポアソン比、ひずみに関する計算例題を解いてみよう
ここで、材料関連の例題を解いてみましょう。
ヤング係数やひずみ、ポアソン比の関連を理解できるので、ぜひチャレンジしてみてください。
ヤング率やポアソン比の計算例題1
正方形断面(2cm×2cm)で長さ2mの棒があります。
この棒にかかる外力が10kNの圧縮力のとき、棒に生ずる圧縮応力、圧縮ひずみおよび縮み量を求めなさい。
ただし、棒材料のヤング率はE=200GPaとします。
【解答】
断面積A=2×2×10⁻⁴㎡=4×10⁻⁴㎡で、棒にかかる外力はP=-10×10³Nであるから、
σ=P/A=-(10×10³)/4×10⁻⁴=-25MPa
ε=σ/E=-(25×10⁶)/200×10⁹=-1.25×10⁻⁴
δ=εℓ=-1.25×10⁻⁴×2m=-2.5×10⁻⁴(m)=-0.25mm
応力やポアソン比の計算例題2
直径dが2cm、長さ2mの丸棒を1kNの力で引っ張ったとき、0.4mm伸び、直径が0.001mm縮みました。
このとき、①引張応力、②縦ひずみ、③横ひずみ、④ポアソン比を求めなさい。
【解答】
①引張応力σ=P/A=(1×10³)/(π/4×2×10⁻²)²=3.18MPa
②縦ひずみε=δ/ℓ=0.4×10⁻³/2=2×10⁻⁴
③横ひずみε’=-δ’/d=-(0.001×10⁻¹)/2=-0.5×10⁻⁴
④ポアソン比ν=|ε’/ε|=0.5×10⁻⁴/2×10⁻⁴=0.25
応力についてさらに詳しくは、また別記事でご確認ください。
ヤング率一覧(工業材料別)ポアソン比とヤング率の関係や公式まとめ
【公式】
応力σ=ヤング率E×ひずみε
ポアソン比ν=|ε’/ε|
材料 | 縦弾性係数
ヤング率 E(GPa) |
横弾性係数
せん断弾性係数 G(GPa) |
ポアソン比
ν |
降伏点(体力)
σ₁(MPa) |
引張強さ
σ₂(MPa) |
軟鋼
(0.1~0.3%C) |
205 | 80 | 0.3 | 245 | 392 |
硬鋼
(0.4~0.6%C) |
205 | 80 | 0.3 | 372 | 490 |
Ni-Cr鋼(熱処理) | 205 | 80 | 0.3 | 686 | 882 |
鋳鋼 | 205 | 80 | 0.3 | 343 | 588 |
鋳鉄 | 98 | 34 | 0.3 | 157 | 196 |
銅 | 126 | 46 | 0.33 | 軟質:88 | 軟質:225 |
硬質:294 | 硬質:314 | ||||
アルミニウム | 69 | 27 | 0.33 | 軟質:29 | 軟質:69 |
硬質:127 | 硬質:137 | ||||
ジュラルミン | 69 | 27 | 0.33 | 245 | 294 |
鉛 | 17 | 7.6 | 0.45 | - | 20 |
ガラス | 69 | - | 0.22 | - | 39 |
合成樹脂 | 4 | - | 0.3 | - | 69 |
以上です。
ありがとうございました。