目次
MTTRとは?
MTTRとは【平均修復時間】と呼ばれ、修理にかかった時間を平均したものであり、修理系などで取りあつかう指標です。
製造や機械系の品質管理では、【保全性】が求められます。
保全性とは、JIS Z 8115で「アイテムの保全が与えられた条件において、規定の期間に終了できる性質」と定められています。
つまり、アイテムが故障または劣化した時に、それを見つけて修復し、正常に維持できる能力を表しているということですね。
ちなみに保全にも種類があるので確認しておきましょう。
事後保全 | 故障が発生してから行う保全
(CM:Corrective Maintenance) |
予防保全 | 故障を未然に防ぐために行う保全
(PM:Preventive Maintenance) |
MTTRの計算方法
MTTR(平均修復時間)は、以下の計算式で求めることができます。
MTTR(時間/件)=総修理時間/総修理件数
全体の修理時間を、すべての修理件数で割り算します。
ここでひとつ例題を解いてみましょう。
【例題】
あるシステムの使用経過は以下のようになっています。
このときのMTTRをもとめなさい。
【解答】
MTTRを求めるには以下の項目を算出します。
- 総修理時間
- 総修理件数
よって図解より、
総修理時間=3+2+4=9
修理件数=3
したがって、
MTTR=9/3=3
解答 MTTR=3(時間/件)
MTTRとMTBFの違い★MTBFの計算方法
それでは、修理系の仲間であるMTBFとの違いも確認しておきましょう。
MTTRとは平均修復時間と呼ばれ、修理にかかった時間を平均したもので、保全性の指標です。
一方で、互いにとなり合う故障機関の動作時間の平均値であるMTBFは【平均故障間隔】とも言われ、耐久性の指標として用いられています。
つまりMTTRとMTBFの違いはこんな感じ!
MTTR | MTBF |
MTTRとは【平均修復時間】と呼ばれ、修理にかかった時間を平均したものであり、修理系などで取りあつかう指標
アイテムが故障または劣化した時に、それを見つけて修復し、正常に維持できる能力を表す |
修理しながら使うシステムや機械である「修理系」をあつかう指標
互いにとなり合う故障機関の動作時間の平均値であるMTBFは【平均故障間隔】とも言われ、耐久性の指標のこと |
ちなみにMTTRは「Mean Time to Repair」、「MTBFはMean Time Between Failures」の略です。
そしてMTBFの計算方法は以下のとおり。
MTBF(時間/件)=総稼働時間/総故障件数
さらに故障率λは、MTBFの逆数で表すことができます。
故障率λ(件/時間)=1/MTBF
それではここでひとつ、例題を解いてみましょう。
あるシステムの使用経過は以下のようになっています。
①このときのMTBFを求めなさい。
②このときの故障率を求めなさい。
【解答】
①このときのMTBFを求めると、
MTBF=(110+120+130)/3=120(時間/件)となります。
②MTBFが120のときの故障率λは、
λ=1/120=0.0083(件/時間)となります。
解答 MTBF=120(時間/件)、λ=0.0083(件/時間)
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MTBFとは【平均故障間隔】修理系で扱う耐久性の指標(計算例題付き)
MTTR(平均修復時間)&MTBF(平均故障間隔)まとめ
まとめるとこんな感じ 🙂
MTTR(平均修復時間)
Mean Time to Repair |
MTBF(平均故障間隔)
Mean Time Between Failure |
MTTRとは【平均修復時間】と呼ばれ、修理にかかった時間を平均したものであり、「修理系」などで取りあつかう指標
アイテムが故障または劣化した時に、それを見つけて修復し、正常に維持できる能力を表す 【計算式】 MTTR(時間/件)=総修理時間/総修理件数 |
修理しながら使うシステムや機械である「修理系」をあつかう指標
互いにとなり合う故障機関の動作時間の平均値であるMTBFは【平均故障間隔】とも言われ、耐久性の指標のこと 【計算式】 MTBF(時間/件)=総稼働時間/総故障件数 |
どちらも修理系で取り扱う用語ですが、似ていても定義や計算式は異なるので注意してください。
以上です。
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ありがとうございました。