今回のテーマは管理限界線
UCL・LCLの定義や求め方について解説していきます。
目次
UCL・LCLとは?管理限界線の求め方・計算方法や定義かんたん解説
品質管理には欠かせない【管理図】について解説していきます。
管理図を構成する管理限界線や中心線
管理図を構成する一般的な線は3つで以下のとおりです。
管理限界線
- 上方管理限界線(UCL)
- 中心線(CL)
- 下方管理限界線(LCL)
図解で見るとこんな感じです。(以下図解参照)
中心線(CL)は平均値を示し、実線で引かれること多いです。
また管理限界線は上限管理限界線(UCL)と下限管理限界線(LCL)の2つがあります。
各管理限界線の決め方
一般的に、各管理限界線は中心線から標準偏差の3倍の幅をとっています。
これは約99.7%打点値が管理幅の内側に入り、外側に外れることが約0.3%であることが知られているためです。
また併せて、管理図の書き方も確認しておきましょう。
さらに管理図にはJISで定められている異常判定ルールもありますのでご注意ください。
管理限界線のUCL・LCL求め方!計算方法には標準偏差が必要
各管理限界線(UCL・LCL)が、中心線から標準偏差の3倍の幅ということは、標準偏差を求めなければなりません。
これは正規分布とも絡んでくる話ですね。
そして標準偏差の求め方はこんな感じ 🙂
標準偏差の計算方法
- 平方和S(残差平方和)を求める
- 不偏分散Vを求める
- 標準偏差σを求める
標準偏差は√Vです。(V:不偏分散)
管理限界線の求め方1.平方和S・残差平方和を求める
まずは残差平方和Sを求めます。
残差平方和とは、個々のデータの平均値と各データの差を2乗したものの和のことです。
たとえばデータ(サンプル)数が3、4、6、7、10とすると、
平均値は6なので、
式 S=(10-6)²+(7-6)²+(6-6)²+(4-6)²+(3-6)²=30
残差平方和は30となります。・・・①
管理限界線の求め方2.不偏分散Vを求める
次に不偏分散Vを求めます。
不偏分散Vは、残差平方和Sを(データ数-1)で割ったものです。
よって①で求めたSを使って式を表すと、
式 V=30÷(5-1)=7.5・・・②
管理限界線の求め方3.標準偏差σを求める
さいごにやっと標準偏差(笑)
標準偏差は、不偏分散の正の平方根のこと。
データのバラツキを調べるためにもっともよく使われる公式です。
②で求めた不偏分散を代入すると、
式 σ=√7.5=2.74・・・③
標準偏差は2.74であることが求められました。
また、管理図の用語としては【群】や【n】などがあります。
群とは、サンプリングされたデータのかたまりのことで、例えば時間ごとやロットごとによって決まります。
一方でnは群の大きさを示す値で、サンプルサイズとも呼ばれます。
UCL・LCLとは?管理限界線の求め方・計算方法や定義まとめ
管理限界線
- 上方管理限界線(UCL)
- 中心線(CL)
- 下方管理限界線(LCL)
一般的に、各管理限界線は中心線から標準偏差の3倍の幅をとっている。(約99.7%打点値が管理幅の内側に入り、外側に外れることが約0.3%であることが知られているため)
管理限界線を求めるには、標準偏差を求めなければならない。(標準偏差は、不偏分散の正の平方根)
標準偏差の計算方法
- 平方和S(残差平方和)を求める
- 不偏分散Vを求める
- 標準偏差σを求める
以上です。
ありがとうございました。