製図・図面

寸法表記の書き方!製図や図面の矢印(角度・ルール)簡単チェック

寸法表記

今回のテーマは製図(図面)の【寸法表記】

図面における基本的な考え方から実際の表記方法についてしっかり解説していきます。

ちなみに、家具などの寸法表記は、

【WDH】 幅(W)×奥行(D)×高さ(H)

【LWH】 長さ(L)×幅(W)×高さ(H)

などで表すので、覚えておくと良いでしょう。

(高さ、幅、奥行きはそれぞれ、height、width、lengthまたはdepthと表され、頭文字をとってLWHやWDHなどと表記される)

…まあ、ちょっと話がズレましたので戻して戻してっと。(笑)

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

寸法表記➀製図や図面での注意点やルール

まずは図面における寸法表記の注意点!

図面寸法表記の注意点

  1. 図面を見る側の立場になり、明確な寸法を記入すること
  2. 寸法の記入漏れをしないこと
  3. 作業現場で計算しなくても寸法が求められるようにすること
  4. 寸法の記入方法が、製作工程上便利であるようにすること
  5. 不鮮明な記入をしないこと
  6. 記入方法は特に支持のない限り、完成品の仕上げり寸法を用いること

寸法を記入する場合は、上記の内容に注意して図面チェックを行ってください。

 

寸法表記②寸法と角度の表記ルール

寸法の単位は基本的に【メートル法】を基準としています。

メートル法の単位で表す図面には、その寸法の基準単位をミリメートルとしていますが、ミリメートルを表す「mm」は記入しないでよいことになっています。

たとえば、0.5mmは「0.5」、1.2mmは「1.2」といった感じです。

また、大きい寸法を示す場合、一般には3桁ごとにコンマで区別する場合がありますが、図面上ではコンマを小数点と見誤るおそれがありますので、数字の桁数が多い場合でもコンマは打たないことになっています。

とくに必要があれば、例えば11540ミリの寸法を示す場合は、11m540のように、メートルの単位を示すmの文字を記入するのが良いでしょう。

 

なお、今まで使われていたμ(ミクロン,1000分の1mm)は、国際単位系(SI)の採用にともない、μm(マイクロメートル)と名称が改められました。

角度の単位としては、ふつう「度」で表し、必要に応じて分、秒を併用します。

図面上では度は「°」分は「’」秒は「”」の記号で表します。

たとえば、

90度=90°

14度32分=14°32’

15度30分10秒=15°30’10”

のようにして書き表してください。

一方、角度の寸法数値をラジアンの単位で記入する場合には、その単位記号radを記入しましょう。

また、製図サイズの選び方&見方も別記事でまとめていますので併せてご確認ください。

 

寸法表記③寸法線の記入方法&ルール

つづいては寸法線についてです。

寸法線&寸法補助線の製図(図面)ルール

部品や品物の寸法は、以下の図のように、細い実線による寸法線および寸法補助線を用いて記入するのが原則です。

ただし、寸法補助線を引き出すと、図がまぎらわしくなるような場合は、図中に寸法線を直接引いてもOK!(以下、図解参照)

また、寸法線は指示する長さまたは角度を測定する方向に平行に、かつ図面から適度に離して引きましょう。

さらに寸法補助線は、指示する寸法の端から寸法線に直角に引き、寸法線をわずかに超す(2~3mmくらい)まで延長してください。

そして以下の図は、角度寸法を記入する例を示したものです。

角度寸法を記入する寸法線は、角度を構成する2辺またはその延長線(寸法補助線)の交点を中心として、両辺またはその延長線の間に描いた円弧で表しましょう。

ちなみに図形を浮き上がって見せるために、寸法補助線を図形からわずかに離して引き出すこともよく行われます。

 

 

一方で、寸法線について以下の線と兼用することはできませんのでご注意ください。

寸法線と兼用できない線

  1. 中心線
  2. 外径線
  3. 基準線
  4. 延長線

併せて図面記号C(面取り)と図面記号CR(コントロール半径)についてもチェックしておきましょう。

 

図面で表記する矢印ルール(端末記号)

寸法(矢印)

矢印は端が開いたもの、あるいは塗りつぶされたもののどちらでもOK!

そして矢印の△部分の角度は15°~90°ならどんな角度でもよいですが、同じ図面、または一連の図面では、なるべく形および大きさを統一して用いることになっています。

また簡便のために、矢印の代わりに斜線あるいは黒丸を用いてもよいです。

これらの矢印、しゃせん、黒丸を総称して「端末記号」と言います。

さらに累進寸法記入の際に用いる起点を示す「起点記号」は、白抜きの小さい円を用い、黒丸よりはやや大きく描くこととされています。

 

引出線と参照線の矢印ルール(角度は任意でOK)

きり穴表示

せまい箇所の寸法で、そのままでは記入しにくいときは、引き出し線を用いて記入しましょう。

このとき寸法数値は、引出線と寸法線から斜め方向に引出し、その端を水平に折り曲げて(参照線という)上側に記入しますが、斜めに引き出した線の端に直接記入してもOK!

ただし、この場合は引き出した側には矢印はつけません。

なお、引出線は寸法線の代わりとなる目的のほか、加工方法や注記、照合番号などの記入するためにも用いられます。

しかし引出線が形状を表す線から引き出される場合には矢印を(↑図解)、矢印を形状を表す線の内側から引き出される場合には黒丸(↓図解)をつけることになっているので注意しなければいけません。

寸法表記

また、引出線の傾き角度は任意でOKですが、あまり立ちすぎたり寝すぎたりしないのが良いでしょう。

 

寸法表記④数値記入のルール

寸法線に寸法を示す数値を記入するには、以下の図のように寸法線を中断せず、そのほぼ中央の上側に、わずかに離して記入する方法が一般的です。

また寸法数値を記載するスペースが確保できない場合に限り、寸法線を中断し、中断した部分に寸法数値を記入します。

このとき中断する部分は、一般に寸法線のほぼ中央としてください。

寸法線を中断する記入例と中断しない記入例は以下のとおりで、ひとつの図面では混用しないほうがよいです。

寸法線を中断する記入例 寸法線を中断しない記入例

なお、寸法数値の向きは、水平方向の寸法線に対しては上向きに、垂直方向の寸法線に対しては左向きに書くようになっています。

斜め方向の寸法線に対しても上記図のように準じればOKです。

角度寸法数値の場合でも同じですが、すべて上向きに記入してもよいとされています。

一方、垂直線から反時計回りに左下向かい約30°以下の角度をなす方向に引かれる斜めの寸法線では、まぎらわしくなる恐れがあるので、なるべく記入を避けるか、あるいは上向きに記入するのが良いでしょう。

寸法表記の書き方!製図や図面の矢印(角度・ルール)まとめ

ポイント

家具などの寸法表記

  • 【WDH】 幅(W)×奥行(D)×高さ(H)
  • 【LWH】 長さ(L)×幅(W)×高さ(H)

図面寸法の単位は基本的に【メートル法】を基準

メートル法の単位で表す図面には、その寸法の基準単位をミリメートルとしているが、ミリメートルを表す「mm」は記入しないでよいことになっている

引出線や矢印線にもそれぞれルールがあるのでしっかりチェック!

 

以上です。

ありがとうございました。

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