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輪郭曲線とは?パラメータ・記号・種類について解説

輪郭曲線パラメータ

輪郭曲線とは、物体の表面における凸凹をなぞり、輪郭および曲線を明らかにしたものです。

物体の表面性状の測定は、一般に触針式表面性状測定器を使用します。

触針によって物体の表面を筋目方向に直角になぞって測定するよ

輪郭曲線のパラメータ、記号、種類について解説していますので、図面を見るうえでの参考にして下さい。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉

 

輪郭曲線のパラメータとその記号

輪郭曲線から計算された各種のパラメータとその記号は、①粗さパラメータ記号、②うねりパラメータ記号、③断面曲線パラメータ記号の3つに分けられます。

記号と意味はJISにより規定されています。

①粗さパラメータ記号

種類 粗さパラメータ
高さ方向のパラメータ 山および谷 Rp
Rv
Rz
Rc
Rt
Rzjis
高さ方向の平均 Ra
Rq
Rsk
Rku
Ra75
横方向のパラメータ RSm
複合パラメータ RΔq
負荷曲線に関連するパラメータ Rmr(c)
Rδc
Rmr

②うねりパラメータ記号

種類 うねりパラメータ
高さ方向のパラメータ 山および谷 Wp
Wv
Wz
Wc
Wt
WEM ※EM小
高さ方向の平均 Wa
Wq
Wsk
Wku
WEA ※EA小
横方向のパラメータ WSm
複合パラメータ WΔq
負荷曲線に関連するパラメータ Wmr(c)
Wδc
Wmr

③断面曲線パラメータ記号

種類 断面曲線パラメータ
高さ方向のパラメータ 山および谷 Pp
Pv
Pz
Pc
Pt
高さ方向の平均 Pa
Pq
Psk
Pku
横方向のパラメータ PSm
複合パラメータ PΔq
負荷曲線に関連するパラメータ Pmr(c)
Pδc
Pmr

 

表からわかるように、粗さパラメータはR、うねりパラメータはW、断面曲線パラメータは記号Pをそれぞれ用いて、パラメータの種類を示す斜体の小文字を付記することになっています。

 

主な輪郭曲線パラメータの種類と定義

細かくパラメータを分類しましたが、このなかでも以前から広く用いられてきた以下の項目について解説します。

主な輪郭曲線パラメータ

  1. 算術平均粗さ(Ra)
  2. 最大高さ粗さ(Rz)
  3. 十点平均粗さ(Rzjis)

実際にも、一般機械部品の加工表面では、上記3つのパラメータで指示すれば十分であるとされています。

記号と定義および、解析曲線イメージは以下のとおりです。

記号 名称 定義 解析曲線
Ra 算術平均粗さ 基準長さにおけるZ(x)の絶対値の平均   算術平均粗さ
Rz 最大高さ粗さ 基準長さでの輪郭曲線要素の最大山高さRpと最大谷深さRvとの和 最大高さ粗さ
Rzjis 十点平均粗さ 粗さ曲線で最高山頂から5番目までの山高さの平均と、最深谷底から5番目までの谷深さの平均の和 十点平均粗さ

 

注意点としてはこちら。

旧JISとの対比表を作成しましたのでご覧ください。

現JIS 旧JIS
すべてのパラメータにパラメータ記号を付記することが義務づけられた 算術平均粗さを優遇するためにこのパラメータを記入するときにはその記号を省略して単に粗さ数値だけ示せばよかった
座標関係では高さを表すのにZを用いることとなり、最大高さ粗さをRzと表記するようになった 最大高さに対する記号にはRmaxやRyなどが用いられていた
十点平均粗さはRzjisと表現するようになった 十点平均粗さはRzで表されていたがISOから外された

 

輪郭曲線に関連する用語

そのほか、輪郭曲線に関連する用語についてまとめましたので参考にしてください。

表面性状の専門用語 意味
カットオフ値 輪郭曲線パラメータでは、表面の凹凸の低周波部分(うねり成分)を除くために、電気回路に広域フィルタを入れてカットしてる

その利得が50%となる周波数の波長

基準長さ 粗さ曲線からカットオフ値の長さを抜き取った部分の長さ
評価長さ 最大断面高さの場合などでは、基準長さは短すぎて評価が十分にされないため、1つ以上の基準長さ(一般にはその5倍とする)を含む長さをとる
平均線 断面曲線の抜き取り部分におけるうねり曲線を直線に置き換えた線
抜き取り部分 粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取った部分
通過帯域 表面性状評価対象の波長域のこと

低域(通過)フィルタと高域(通過)フィルタとの組み合わせで示す

16%ルール パラメータの測定のうち、指示された要求値を超える数が16%以下であれば、この表面は要求値を満たすもの

標準ルールとしている

最大値ルール 対象域全域で求めたパラメータのうち、ひとつでも指示された要求値を超えてはならないという厳しいルール

このルールに従うときには、パラメータの記号にmaxを付けなければならない

 

以上です。

興味のある方は以下の記事もぜひどうぞ 🙂

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ありがとうございました。

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