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溶接の種類一覧表!溶接方法の特徴を一覧でしっかり解説

溶接の種類

今回のテーマは【溶接の種類】

溶接方法について一覧表でまとめています。

それぞれでさらに工法がいくつかありますのでぜひチェックしてみてください。

一方、溶接記号についてはこの記事を読んだ後に確認しておくことをおすすめします。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

溶接の種類一覧表!溶接方法の特徴を一覧でしっかり解説

溶接

溶接加工は約60種類以上が存在すると言われていますが、ざっくり分けると以下の3つに大別できます。

溶接の分類 状態 概要
①融接(溶融溶接) 液相 被溶接材料を加熱して結合
②圧接(加圧圧接) 固相 被溶接材料に圧力を加え結合
③ろう接 液相~固相 被溶接材料を溶かさず、添加剤を接着剤として結合
それぞれの溶接についてさらにくわしく見ていきましょう。

①融接(溶融溶接)一覧

融接の種類は以下のとおりです。

融接はアーク溶接、プラズマアーク溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接などの種類があります。

アーク溶接 溶融電極式 マグ:ガスシールドアーク溶接の半自動溶接

不活性ガス+二酸化炭素の混合ガスを用いるの

ミグ:マグ溶接と同様にガスシールドアーク溶接の半自動溶接

マグ溶接との違いは用いられるシールドガス

非溶融電極式 ティグ:ガスシールドアーク溶接に分類

電極棒には溶けないタングステンが使われ、電気を通してアークを発生させる仕組み

プラズマ:プラズマガスとプラズマアークを用いた溶接法

電極棒にタングステン・シールドガスに不活性ガスが使われる

プラズマアーク溶接 プラズマガスとプラズマアークを用いた溶接法

電極棒にタングステン・シールドガスに不活性ガスが使われる

プラズマ溶接用のトーチ内で不活性ガスはイオン化されプラズマガスに変化し、ジェットとして噴出するプラズマガスが導電体となり、プラズマアークが作られる

レーザー溶接 レーザー光線の熱を利用

アーク溶接に比べ、細かく精密さが必要とされる溶接に適しており、異なる種類の金属を接合することも可能

ただし、溶接部に水分や油分が微量にでもあると、溶接欠陥に繋がってしまうデメリットもある

電子ビーム溶接 真空管やブラウン管内で電子が放出される原理を利用した溶接法

溶接は基本的に真空中で行われ(高真空型)、薄板から厚板、さらに微細溶接まで、歪みの少ない溶接が可能

アーク溶接のメカニズムは、空間的に離れた2つの電極に電圧をかけていくと、空気の絶縁が破壊されて2つの電極の間に電流が発生し、同時に強い光と高い熱を発生します。

このとき発生する弧(Arc)状の光をアークと呼び、その熱を熱源として利用する溶接方法です。

溶融電極式と非溶融電極式の2種類に分類でき、さらにマグ、ミグ、ティグ、プラズマなどに分けられます。

 

②圧接(加圧圧接)一覧

溶接

圧接の種類は、抵抗溶接における以下の3種類です。

圧接(抵抗溶接)

  1. スポット溶接
  2. プロジェクション溶接
  3. シーム溶接

スポット溶接

スポット溶接は、抵抗スポット溶接や点溶接とも呼ばれています。

スポット溶接は主に薄板の溶接に用いられ、自動車などの車体の生産に多く利用されています。

また、スポット溶接装置の名前と概要はこちら 😉

装置の概要 名称
溶接を行うために母材を挟む装置 ガン
ガンに電気を供給する装置 溶接電源または溶接機

ガンおよび、溶接電源または溶接機は、自動車の生産などに使用されるロボットなどに直接取り付けられて使われています。

 

プロジェクション溶接

プロジェクション溶接は、厚板の溶接に用いられる溶接です。

被溶接材料の片方にあらかじめプレス加工でプロジェクション(突起部)を施しておき、 溶接時にプロジェクションに集中的に大電流を流し、溶融凝固させて接合します。

厚板だけでなく、ナットやボルトの溶接にも用いられるほか、薄板の多点数溶接を効率よく行うこともできます。

スポット溶接と同様に、溶接機で挟んだ一点に熱が集中するため、母材への熱影響を最低限に抑えられることがメリットと言えるでしょう。

 

シーム溶接

シーム溶接は電極の形に大きな違いがあります。

シーム溶接に用いられる電極は、円板形のローラーです。

ローラー電極に電流を流しながら回転させることで、材料を連続で溶接できます。

燃料タンクなど、気密性と防水性を求められる箇所に多く用いられています。

アーク溶接では難しい、厚板の溶接が得意と言えるね

 

ろう接(ろう付け・はんだ付け)

ろう付けは古来からある溶接加工法です。

日本では奈良の大仏などにも使われているよ

ガスバーナーなどで溶かした溶加材が接着剤の役目を果たし、材料同士を接合させます。

異種材料同士の接合と、厚さの異なる母材同士の接合も可能な点がメリットと言えるでしょう。

また、はんだ付けやアーク溶接との違いはこんな感じ。

ろう付け はんだ付け
溶加材の融点:450℃以上

融点が高いので、はんだ付けより接合の強度が高くなる

被溶接材料を溶かさずに加熱し、液状にした溶加材で接合

溶加材の融点:450℃以下

ろう付けよりも強度が低くなるが、融点が低いため、はんだごてなどを使って容易に接合できる

電子部品の接続や機器内の配線接続に使われる

アーク溶接
被溶接材料も加熱し、溶かして接合

ろう付けとはんだ付けの大きな違いは溶加材の融点です。

ろう付けの融点は高いので、はんだ付けより接合の強度が高くなります。

一方、はんだ付けはろう付けよりも強度が落ちますが、融点が低いため、はんだごてなどを使って簡単に接合できます。

そしてろう付けとアーク溶接の違いは「接合の原理」です。

アーク溶接は被溶接材料も加熱し、溶かして接合させますが、ろう付けは被溶接材料を溶かさずに加熱し、液状にした溶加材で接合させます。

 

溶接の種類一覧表!溶接方法の特徴を一覧でしっかり解説まとめ

溶接の種類
融接(溶融溶接) アーク溶接 溶融電極式 マグ:ガスシールドアーク溶接の半自動溶接

不活性ガス+二酸化炭素の混合ガスを用いるの

ミグ:マグ溶接と同様にガスシールドアーク溶接の半自動溶接

マグ溶接との違いは用いられるシールドガス

非溶融電極式 ティグ:ガスシールドアーク溶接に分類

電極棒には溶けないタングステンが使われ、電気を通してアークを発生させる仕組み

プラズマ:プラズマガスとプラズマアークを用いた溶接法

電極棒にタングステン・シールドガスに不活性ガスが使われる

プラズマアーク溶接 プラズマガスとプラズマアークを用いた溶接法

電極棒にタングステン・シールドガスに不活性ガスが使われる

プラズマ溶接用のトーチ内で不活性ガスはイオン化されプラズマガスに変化し、ジェットとして噴出するプラズマガスが導電体となり、プラズマアークが作られる

レーザー溶接 レーザー光線の熱を利用

アーク溶接に比べ、細かく精密さが必要とされる溶接に適しており、異なる種類の金属を接合することも可能

ただし、溶接部に水分や油分が微量にでもあると、溶接欠陥に繋がってしまうデメリットもある

電子ビーム溶接 真空管やブラウン管内で電子が放出される原理を利用した溶接法

溶接は基本的に真空中で行われる(高真空型)

薄板から厚板、さらに微細溶接まで、歪みの少ない溶接が可能

圧接(加圧圧接) スポット溶接 スポット溶接は、抵抗スポット溶接や点溶接とも呼ばれている

スポット溶接は主に薄板の溶接に用いられ、自動車などの車体の生産に多く利用されている

プロジェクション溶接 プロジェクション溶接は、厚板の溶接に用いられる溶接

被溶接材料の片方にあらかじめプレス加工でプロジェクション(突起部)を施しておき、 溶接時にプロジェクションに集中的に大電流を流し、溶融凝固させて接合

シーム溶接 シーム溶接に用いられる電極は、円板形のローラー

ローラー電極に電流を流しながら回転させることで、材料を連続で溶接できる

ろう接 ろう付け ろう付けは古来からある溶接加工法

ろう付けとはんだ付け違い:溶加材の融点(ろう付け融点450℃以上、はんだ付け融点450℃以下)

ろう付けとアーク溶接の違い:接合の原理(アーク溶接は被溶接材料も加熱し、溶かして接合させますが、ろう付けは被溶接材料を溶かさずに加熱)

 

以上です。

ありがとうございました。

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