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輪郭度の測定方法!幾何公差のきほん図解でかんたん解説

輪郭度

幾何公差のひとつである【輪郭度(りんかくど)】

図解でかんたんに解説していますので、確認などにぜひご活用ください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

輪郭度の測定方法

輪郭度の測定方法はいくつか種類が挙げられます。

輪郭度の測定方法

  1. 三次元測定機
  2. 形状測定機
  3. テンプレート

三次元測定機

三次元測定機(イメージ図解)

三次元測定機は、部品の形状をデータ上で立体的にとらえて様々な測定をすることが可能です。

JIS B 7440では【互いに直行する案内と、案内の移動量を求めるスケール及びプローブをもち、それぞれの移動量からプローブの三次元座標値を求めることができる機械】と定義されています。

三次元測定機による測定点の情報は、三次元の座標(X、Y、Z)として記録され、その座標情報を組み合わせることにより、二次元または三次元の幾何学要素を作成します。

寸法や公差などが測定可能です。

二次元の幾何学要素 線、面、円、点
三次元の幾何学要素 球、円筒、円錐、直方形

そして輪郭度はスタイラスを対象物に軽く当てるだけで測定でき、さらに測定圧による誤差はほとんど発生せず、安定した測定結果を得ることができます。

また、スタイラスはさまざまな角度から当てることができるので、ハイトゲージ等では測定が困難な水平に固定できない対象物でも、正確に測定することができます。

測定ポイントを増やすと、測定範囲が広い場合でも高精度かつ安定した測定が可能です。

一方で三次元測定機は以下のとおりです。

測定器のタイプ、測定方法などにより呼称や分類方法が異なりますので注意してください。

設置方法による分類 据置型
ポータブルタイプ
外観による分類 多関節アーム型
門型
測定方法による分類 レーザートラッカー
レイアウトマシン
接触型
非接触型

 

 

形状測定機

※イメージ画像★形状測定機


(AD)東京精密 表面粗さ・輪郭形状測定機 サーフコム NEX(SURFCOMNEX030DX12)

 

スタイラスを対象物の測定始点に当て、測定の長さを指定して測定します。

測定データと測定機に読み込ませた理論的に正しいデータを使用して解析し、P/V値(理論的に正しい形状に対する最大値と最小値および標準偏差σ値)を出力することができます。

また、接触式、非接触式の種類があり、近年は3Dデジタイザといわれる非接触式の測定機で、形状全体を点群データで計測し、CADデータとのマッチングを行うものもあります。

 

テンプレート

簡易的な測定は、テンプレートが基本です。

いわゆる型板や鋳型という意味をもつ【型】ですね。

実際にこの方法は職人が手作業で物を仕上げる際に、さまざまな業界で使われているでしょう。

少しずつ削ったり曲げたりしながらテンプレートと照合し、理想の形状に近づけていきます。

 

輪郭度の記号や表し方および公差範囲について

輪郭度は曲線や曲面において、物体を形成している外側の線または面における許容値の度合いを表します。

記号は半円のような記号で、線の輪郭度は下線がなく、面の輪郭度は下線があります。

幾何公差名 記号 意味 データムの有無
線の輪郭度 輪郭度(図面記号機械加工) 輪郭線(表面の切断面に現れる線要素)のゆがみを表す
面の輪郭度 面の輪郭度(図面記号機械加工) 曲面(表面)などが指定した通りにできているかを指示するもの

面の輪郭度は、線の輪郭度とちがって指定曲面全体が対象

そして基準となるデータムはなく、その物体のみの公差であることを覚えておきましょう。

 

公差範囲の表し方は以下の表をご覧ください。

輪郭度 図示例 公差範囲
    公差範囲(断面表示)

上記の表示する図は線と面どちらも、R50の円弧を中心にΦ0.05の円内に線の凸凹(曲線)が収まることを要求しています。

線の輪郭度の場合はカットした面で輪郭線が指定の範囲内であることを指示したものですが、面の輪郭度では面全体を通して指定範囲に入っていなければなりません。

よって同じ公差域なら、線よりも面の輪郭度のほうがきびしい公差となります。

 

以上です。

そのほか幾何公差については以下の記事もぜひご覧ください。

ありがとうございました。

 

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