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普通公差(寸法公差)一覧!JISの許容差かんたん解説

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普通公差(寸法公差)のJISについては、2016年3月に改正され、使われる用語が大幅に変更されました。

主な新旧対比表はこちら 🙂

新規格 JIS B 0401-1:2016 旧規格 JIS B 0401-1:1998
製品の幾何特性仕様(GPS)ー長さに関わるサイズ公差のISOコード式

第1部:サイズ公差、サイズ差および、はめあいの基礎

寸法公差及びはめあいの方式

第1部:公差、寸法差および、はめあいの基礎

箇条番号 用語 箇条番号 用語
3.1.1 サイズ形体
3.1.2 図示外殻携帯
3.2.1 図示サイズ 4.3.1 基準寸法
3.2.2 当てはめサイズ 4.3.2 実寸法
3.2.3 許容限界サイズ 4.3.3 許容限界寸法
3.2.3.1 上の許容サイズ 4.3.3.1 最大許容寸法
3.2.3.2 下の許容サイズ 4.3.3.2 最小許容寸法
3.2.4 サイズ差 4.6 寸法差
3.2.5.1 上の許容差 4.6.1.1 上の寸法許容差
3.2.5.2 下の許容差 4.6.1.2 下の寸法許容差
3.2.6 基礎となる許容差 4.6.2 基礎となる寸法許容差
3.2.7 Δ値
3.2.8 サイズ公差 4.7 寸法公差
3.2.8.1 サイズ公差許容限界
3.2.8.2 基本サイズ公差 4.7.1 基本公差
3.2.8.3 基本サイズ公差等級 4.7.2 公差等級
3.2.8.4 サイズ許容区間 4.7.3 公差域
3.2.8.5 公差クラス 4.7.4 公差域クラス
3.3.4 はめあい幅 4.10.4 はめあいの変動量
3.4.1 ISOはめあい方式 4.11 はめあい方式
3.4.1.1 穴基準はめあい方式 4.11.2 穴基準はめあい
3.4.1.2 軸基準はめあい方式 4.11.1 軸基礎はめあい
4.3.2.1 局部実寸法
4.4 寸法公差方式
4.5 基準線
4.7.5 公差単位

さらに言葉の変更はこんな感じです。

用語の変更

(長さ、角度、位置の総称として)寸法⇒寸法

(長さや直径を意味する)寸法⇒サイズ

(位置や距離を意味する)寸法⇒位置

(長さや直径の)寸法公差⇒サイズ公差(長さや直径に限る)

(位置の)寸法公差⇒幾何公差(位置に限る)

一方、寸法線や寸法補助線、理論寸法(理論的に正確な寸法)については、変更はありませんでした。

新たな用語を適切に使うように注意してください。

 

普通公差(寸法公差)JISの許容差一覧表

JISにまとめられている普通公差は、サイズ公差のひとつです。

普通公差は、はめあいとは違ってサイズ公差が積極的な意味をもたないので、図面上に公差値が記入されないことも多々あり、必要以上に製作や検査がきびしくなったりゆるくなったりしやすいと言われています。

したがってJISでは、このようなときの目安としてJIS B 0405(普通公差:個々に公差の指示がない長さ寸法および角度寸法に対する公差)を規定しているというわけです。

この規格は、むやみにサイズ公差を記入しないで済むように、図面指示を簡単にする、すべての寸法に合理的なサイズ公差を指示できるというメリットがあります。

 

今回まとめているのは以下の許容差 🙂

  1. 面取り部分を除く長さ寸法に対する許容差
  2. 面取り部分の長さ寸法(角の丸みおよび角の面取り寸法)に対する許容差
  3. 角度寸法の許容差

製品などを製作する際に、それぞれ許容差内にあるかどうか確認してください。

普通公差(寸法公差)JIS基準➀面取り部分を除く長さ寸法に対する許容差

公差等級 基準寸法の区分
記号 説明 許容差(mm)

0.5以上

3以下

3を超え

6以下

6を超え

30以下

30を超え

120以下

精級 ±0.05 ±0.05 ±0.1 ±0.15
中級 ±0.1 ±0.1 ±0.2 ±0.3
粗級 ±0.2 ±0.3 ±0.5 ±0.8
極粗級 ±0.5 ±1 ±1.5
公差等級 基準寸法の区分
記号 説明 許容差(mm)
120を超え

400以下

400を超え

1,000以下

1,000を超え

2,000以下

2,000を超え

4,000以下

精級 ±0.2 ±0.3 ±0.5 -
中級 ±0.5 ±0.8 ±1.2 ±2
粗級 ±1.2 ±2 ±3 ±4
極粗級 ±2.5 ±4 ±6 ±8

0.5mm未満の基準寸法に対しては、その基準寸法に続けて許容差を個々に指示しましょう。

 

普通公差(寸法公差)JIS基準②面取り部分の長さ寸法(角の丸みおよび角の面取り寸法)に対する許容差

公差等級 基準寸法の区分
記号 説明 許容差(mm)

0.5以上

3以下

3を超え

6以下

6を超えるもの
精級 ±0.2 ±0.5 ±1
中級
粗級 ±0.4 ±1 ±2
極粗級

0.5mm未満の基準寸法に対しては、その基準寸法に続けて許容差を個々に指示しましょう。

またこの規格を適用する場合は、以下の表示を付近に指示しておけばOKです。

①JIS B 0405の文字

②この規格による公差等級の記号

例)JIS B 0405-m

 

普通公差(寸法公差)JIS基準③角度寸法の許容差

公差等級 対象とする角度の短い方の辺の長さの区分
記号 説明 許容差(mm)
10以下 10を超え

50以下

50を超え

120以下

120を超え

400以下

400を超えるもの
精級 ±1° ±30’ ±20’ ±10’ ±5’
中級
粗級 ±1°30’ ±1° ±30’ ±15’ ±10’
極粗級 ±3° ±2° ±1° ±30’ ±20’

 

一方で、機能によって許容される公差は、普通公差よりも大きいことが多々あります。

ですが、ある部分が普通公差から逸脱しても、部品の機能が必ずしも損なわれるとは限らないので、その仕上がり寸法が機能を損なう場合だけ不合格品とすればOKです。

 

以上です。

ありがとうございました。

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