今回のテーマは【図面(製図)サイズの選び方&見方】
図面サイズにまつわる表記や縮尺(一般)、覚え方などまるっと解説しています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😎
目次
図面縮尺一般のコピー倍率表や図面尺度!製図サイズの選び方&見方
図面(紙)の種類は以下の2種類です。
図面の種類 | サイズの種類 | 規格 |
A判 | A0、A1、A2、A3、A4、A5… | 国際規格サイズ |
B判 | B0、B1、B2、B3、B4、B5… | 国内規格サイズ(日本) |
きほんは国際規格サイズであるA判シリーズが使われることが多いです。
また、製図サイズは尺度をうまく使い、「分かりやすさを保った上で最小の図面サイズを選ぶ」ことが基本です。
これは小さな図面ほど取り扱いが簡単であるためと言われています。
選び方について一般的な考え方は以下のとおりですので、参考にしてください。
図面(製図)サイズの選定基準
- 基本は実物と同じ大きさの現尺(1:1)で描く
- できるだけA3やA4に収めることを意識
- A3にも収まらない大きさの場合で、形状がシンプルなものは縮小してA3もしくはA4に収める
- ただし形状が複雑な場合はそれに伴う寸法指示やその他の指示も増えるため、図面サイズが大きくなっても現尺で描く
- とくに組立図の場合には部品や図面番号などの情報量が多くなるので、無理に縮小はしないこと
つづいてサイズ感はこんな感じ 🙂
A判サイズ | サイズ詳細(mm)
比率1:√2 |
サイズ感 |
A0 | 841×1,189 | 面積1㎡ |
A1 | 594×841 | A0の半分のサイズ |
A2 | 420×594 | A1の半分のサイズ |
A3 | 297×420 | A2の半分のサイズ |
A4 | 210×297 | A3の半分のサイズ |
A5 | 148×210 | A4の半分のサイズ |
A6 | 105×148 | A5の半分のサイズ |
A7 | 74×105 | A6の半分のサイズ |
A8 | 52×74 | A7の半分のサイズ |
A9 | 37×52 | A8の半分のサイズ |
A10 | 26×37 | A9の半分のサイズ |
B判サイズ | サイズ詳細(mm)
比率1:√2 |
サイズ感 |
B0 | 1,030×1,456 | 面積1.5㎡ |
B1 | 728×1030 | B0の半分のサイズ |
B2 | 515×728 | B1の半分のサイズ |
B3 | 364×515 | B2の半分のサイズ |
B4 | 257×364 | B3の半分のサイズ |
B5 | 182×257 | B4の半分のサイズ |
B6 | 128×182 | B5の半分のサイズ |
B7 | 91×128 | B6の半分のサイズ |
B8 | 64×91 | B7の半分のサイズ |
B9 | 45×64 | B8の半分のサイズ |
B10 | 32×45 | B9の半分のサイズ |
サイズは前のサイズの半分になっています。
マトリョーシカみたいなイメージをもっておくとよいでしょう。
製図サイズ&寸法の図面表記と図面尺度の表し方・一般
製図サイズの表記などで使われる記号はこちら 🙂
製図サイズ(寸法)の表記
- L=Length:長さ
- W=Width:幅
- H=Height:高さ
- D=Depth:奥行き
- r=radius:半径
- Φ=(ファイ):直径
- t=thickness:厚さ
英語の意味もいっしょに覚えておくと、頭に定着しやすく忘れにくくなりますよ!
また、尺度の表し方はこんな感じです。
種別 | 意味 | 推奨尺度 |
倍尺 | 拡大 | 50:1、20:1、10:1、5:1、2:1 |
現尺 | 実物と同寸法 | 1:1 |
縮尺 | 縮小 | 1:2、1:5、1:10
1:20、1:50、1:100 1:200、1:500、1:1000 |
尺度には、倍尺、現尺、縮尺の3種類があり、表示には「:」コロンを使います。
一方、表題欄や部品欄の書き方についてはまた別記事でまとめていますので、ぜひ併せてご確認ください。
図面・製図サイズの縮尺
元の図面の縮尺と、合わせたい縮尺の関係は以下の表のとおりです。
縮尺率早見表(図面)
たとえば、元の図面が1/200で、1/1250の図面に合わせたいのであれば、
1/200(たて)と1/1250(よこ)の交差する数字を確認します。
そうすると16%なので、元の図面を0.16倍してあげれば良いということです。
いっぽう、紙サイズの倍率(縮尺)%はこんな感じです。
コピーするときの参考にしてください。
縮尺率早見表(紙サイズ)
製図のサイズと合わせて知っておきたいこと!輪郭線や表題欄
図面サイズと合わせて、以下の項目についても確認しておきましょう。
製図
- 輪郭線
- 表題欄
- 訂正欄
輪郭線
輪郭線とは、図面の周辺に余白を確保するための枠のことです。
余白を設けることで図面が読みやすくなります。
またコピーした図面はファイリングのため穴をあけたりするので、とじ代も考慮した位置に枠が設定されています。
図面サイズ別の余白寸法は以下のとおりです。
図面サイズ | 左端面の余白寸法 | 左端面以外の余白寸法
上下、右端 |
A0,A1 | 20mm以上 | 20mm以上 |
A2,A3,A4 | 10mm以上 |
表題欄
図面を管理するための図面番号や図の名称などは表題欄と呼ばれる欄に記載します。
この欄の様式は自由に設定できますが、一般的な項目としては以下のとおりです。
表題欄の項目例
- 会社名
- 図面番号
- 図面名称
- 尺度
- 設計者名
- 承認者名
- 部品名称
- 材質
- 表面処理
- 個数
- 備考欄
表題欄の位置は図面の右下隅であることがほとんどです。
訂正欄
図面が完成し、次の高低に発行することを出図(しゅつず)といいます。
この出図後に図面の内容を変更する場合があり、理由としては技術的な対応で寸法や材質を変更する場合や、設計者の記載ミスの修正などです。
このような変更を行うときは、訂正の記録を図面内に残すことが必要となります。
図面は流用図面として一度だけでなく何度も加工や組み立てで使うことがあるので、寸法を変更した場合に記録を残しておけば、いつから加工したものが寸法変更されたのかを分かるようにしておくためでもあります。
変更のときには消して修正するのではなく、変更前の寸法を斜線引いて残しましょう。
変更箇所には符号(AやB、1,2)を追記し、改訂欄の項目は符号、変更内容、訂正年月日、変更者名などを記載します。
なお、訂正欄の位置は図面の右上隅や、表題欄の近辺に設けることが一般的です。
図面縮尺一般のコピー倍率表や図面尺度!製図サイズの選び方&見方まとめ
図面(製図)サイズの選定基準
- 基本は実物と同じ大きさの現尺(1:1)で描く
- できるだけA3やA4に収めることを意識
- A3にも収まらない大きさの場合で、形状がシンプルなものは縮小してA3もしくはA4に収める
- ただし形状が複雑な場合はそれに伴う寸法指示やその他の指示も増えるため、図面サイズが大きくなっても現尺で描く
- とくに組立図の場合には部品や図面番号などの情報量が多くなるので、無理に縮小はしないこと
種別 | 意味 | 推奨尺度 |
倍尺 | 拡大 | 50:1、20:1、10:1、5:1、2:1 |
現尺 | 実物と同寸法 | 1:1 |
縮尺 | 縮小 | 1:2、1:5、1:10
1:20、1:50、1:100 1:200、1:500、1:1000 |
以上です。
ありがとうございました。