今回のテーマは製図に使われる【第三角法】
図面に対象物を描くうえでの書き方のひとつになります。
たとえば立体(3次元)のものを紙(2次元)の平面に表すとき、斜めから見る方法と真正面から見る方法の2つがあります。
斜めからみる方法はまさに立体図になりますし、一方で真正面から見る方法が今回のテーマである第三角法です。
第三角法での書き方やコツ、さらには製図でのルールや第一角法とのちがいもわかりやすく解説していますのでぜひご覧ください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
目次
第三角法の図面をわかりやすく解説!書き方&コツや第一角法との違いも
第三角法の基本は、【真正面から見る】ということです。
第三角法によって描かれる図面は以下のとおり
一面図 | 正面図のみ |
二面図 | 正面図+側面図や平面図 |
三面図 | 正面図+側面図+平面図 |
~略~ | それぞれの物体による |
六面図 | 正面図+側面図(左右)+平面図+背面図+下面図 |
ただし、同じ図になる場合はできるだけ省略しましょう。
そうすると、正面図、平面図、右側面図などの3つになることが多いです。
それぞれの面を真正面から見て、見えた通りをそのまま図形として表してみましょう。
第三角法の書き方
手順はこんな感じ 🙂
第三角法の書き方
- 表したいものを用意して、その正面にガラス板や透明な下敷きなどを平行に置く
- 自分自身も対象物の正面に立ち、真正面からガラス板などを通して対象物をみる
- 見えた通りをガラス板または下敷きの上に描く
- ガラス板に描いた線をそのまま紙に写すと、これが真正面からみた図形になる
このときのコツは、きっちり真正面から見ること!
少しでも視線がずれると斜めから見ることになり、立体図になってしまうので注意しましょう。
それと目の位置はガラス板や透明な下敷きの直近ではなく遠く離れた位置から見ると仮定します。
なぜこの仮定をするかというと、物の大きさとガラス板に描く図形の大きさを同じ寸法にしたいからです。
第三角法の図形イメ―ジ
第三角法における図形のイメージは以下の表をご覧ください。
対象物 | 第三角法 | イメージ
図示 |
真正面 | ||
真横(右側) | ||
真上 | ||
一方で、図面の書き方で投影法というものも存在します。
詳しくは別記事でまとめていますので、そちらをご確認ください。
製図で立体図ではなく第三角法が使われる理由
立体図のデメリットはこんな感じです。
立体図のデメリット
- 見えない面に加工があれば追加の立体が必要になる
- 斜め線が多くなり描きにくい
- 立体図に寸法などの情報を書きにくい
- 見えない面への表面粗さ情報などが記入できない
単純な立体であれば立体図は直感的にとても理解しやすいですが、上記のデメリットのように物体が複雑になればなるほど図面での表現がむずかしくなります。
そのためそれぞれの面を真正面から見る【第三角法】が用いられています。
第三角法と第一角法の違いを分かりやすく解説
投影図には第一角法~第四角法までの4種類があります。
しかし第二角法と第四角法は平面上重なり合う部分が出てきてしまうため理解しにくいものとなっています。
そのため製図においては、第一角法、第三角法のいずれかが使用されていますが、機械製図のJISでは「第三角法」を採用しています。
それでは第一角法と第三角法のちがいをみていきましょう。
以下の表をご覧ください。
第三角法 | 比較立体図 | 第一角法 |
アメリカ式画法(A法) | イギリス式画法(E法) | |
平面図は正面図の上に、右側図面は正面図の右にというように、見る側と同じ側に描かれる | 平面図は正面図の下に、左側図面は正面図の右にというように、見る側と反対側に描かれる | |
第三角法投影図 | 第一角法投影図 | |
第三角法の記号 | 第一角法の記号 |
また第三角法と第一角法では、同じ図面でもちがった物体を表している場合もあるので、用いた投影法は必ず表題欄またはその近くに記号を明示しておきましょう。
第三角法の図面をわかりやすく!書き方&コツや第一角法との違いまとめ
第三角法の基本は、【真正面から見る】ということ
第三角法の書き方
- 表したいものを用意して、その正面にガラス板や透明な下敷きなどを平行に置く
- 自分自身も対象物の正面に立ち、真正面からガラス板などを通して対象物をみる
- 見えた通りをガラス板または下敷きの上に描く
- ガラス板に描いた線をそのまま紙に写すと、これが真正面からみた図形になる
第三角法と第一角法の違い
第三角法 | 比較立体図 | 第一角法 |
アメリカ式画法(A法) | イギリス式画法(E法) | |
平面図は正面図の上に、右側図面は正面図の右にというように、見る側と同じ側に描かれる | 平面図は正面図の下に、左側図面は正面図の右にというように、見る側と反対側に描かれる | |
第三角法投影図 | 第一角法投影図 | |
第三角法の記号 | 第一角法の記号 |
以上です。
ありがとうございました。