ねじの等級とは、公差の位置を示すもので、ねじの精度を確認する指標と言えるでしょう。(精←→粗)
そしてねじ等級の表示方法は、旧JISでは1級、2級、3級…と表していましが、現在のJISではHやh、gを使って表します。(日本産業規格:2019年7月1日施行)
ねじの種類によって精度の基準が設けられ、ねじを検査する際のゲージ(測定器)に対応します。

ねじゲージは製品の等級にあったものを選択してください。
目次
ネジ等級★メートル並目ねじの等級対応表
今までのJISでは等級は1~3級で表していましたが、現在ではめねじ、おねじでHやh、gを使用した表現に変更されています。
新JIS(現在)
ISO等級 |
旧JIS(従来)
等級 |
|
めねじ | おねじ | |
4H(M1.4以下) | 4h | 1級 |
5H(M1.6以上) | ||
4H(M1.4以下) | 6h(M1.4以下) | 2級 |
6H(M1.6以上) | 6g(M1.6以上) | |
7H | 8g | 3級 |
【メートル並目ねじ等級対応表】
たとえば、M10の並目ねじの公差は以下のとおりです。
M10並目ねじの公差
(JIS B0209-3) |
max | min |
4h | 9.026 | 8.941 |
6g | 8.994 | 8.862 |
8g | 8.994 | 8.782 |
JISにより、該当するネジの公差を確認しましょう。
ネジ等級★メートル細目ねじの等級対応表
並目と細目のちがいで、ねじの等級対応表も少しばかりちがうので注意してください。
新JIS(現在)
ISO等級 |
旧JIS(従来)
等級 |
|
めねじ | おねじ | |
4H(M1.8X0.2以下) | 4h | 1級 |
5H(M2X0.25以上) | ||
6H | 6h(M1.4X0.2以下) | 2級 |
6g(M1.6X0.2以上) | ||
7H | 8g | 3級 |
【メートル細目ねじ等級対応表】
ねじ部品の部品等級(仕上げ)の表し方
部品
等級 |
公差の水準 | ねじの等級 | 呼び径 | 区分 | ||
軸部・座面 | その他の部分 | めねじ | おねじ | |||
A | 精 | 精 | 6H | 6g | M1.6~M150 | 一般用ねじ部品 |
B | 精 | 粗 | 6H | 6g | ||
C | 粗 | 粗 | 7H | 8g | ||
F | ー | M1~M3 | 精巧基機器用 |
等級の表示が必要な場合には、ねじの呼びのあとにハイフンをはさんでこれらの記号を書きましょう。(省略する場合もあります)
例)M20-6H、M45×1.5-4h
また等級の異なるおねじとめねじの組み合わせである場合は、めねじの等級を先に記し、左下がりの斜線をはさんでおねじの等級を記せばOKです。
例)M3.5-6H/6g
ねじゲージの種類と記号(JIS B 0251)
JISではねじ用限界ゲージの種類とゲージ記号を定めています。
ネジの種類 | 検査箇所 | ねじ用限界ゲージの種類 | ゲージ記号 |
おねじ | 有効径 | 固定式通り側ねじリングゲージ | GR |
調整式通り側ねじリングゲージ | ー | ||
通り側ねじ挟みゲージ | ー | ||
固定式止り側ねじリングゲージ | NR | ||
調整式止り側ねじリングゲージ | ー | ||
止り側ねじ挟みゲージ | ー | ||
外径 | プレーン通り側リングゲージ | PR | |
プレーン通り側挟みゲージ | PC | ||
プレーン止り側リングゲージ | PR | ||
プレーン止り側挟みゲージ | PC | ||
めねじ | 有効径 | 通り側ねじプラグゲージ | GP |
止り側ねじプラグゲージ | NP | ||
内径 | プレーン通り側プラグゲージ | PP | |
プレーン止り側プラグゲージ | PP |
【ねじ用限界ゲージの種類とゲージ記号(JIS B0251)】
例として、以下の図解にめねじとおねじの有効径とゲージの関係を表しました。
めねじではNP,GP、おねじではGR,NPにより合格範囲が決定します。

たとえばNP(Not Go Plug)は、めねじによる「通らない基準」であることを覚えておこう★
以上です。
またネジ関連では以下の記事もぜひご覧ください。
- ネジの種類と図面表示一覧表(JIS:小ネジ・ボルト・ナット)
- ねじの下穴径表まとめ(ISO・ユニファイ・フルートレス・ウィット)
- ネジのピッチとは?ネジの部位や名称(役割)まるわかり◎
- ネジ規格一覧表【JIS】規格を種類ごとにわかりやすく分類
ありがとうございました。