この記事では【QCサークル(小集団活動)】について解説していきます。
目次
QCサークル(小集団活動)とは?
QCサークル(小集団活動)とは、一般社員が職場の改善活動を行うための自主的な活動です。
全体的なTQM(Total Quality Management)の一環として位置付けている企業もありますが、「TQMそのもの」ではないことに注意してください。
QCはアメリカから導入されましたが、QCサークルは日本で始まった小集団活動です。
同じ職場で働く職組長以下の小さなグループなどで構成されたものとなります。
【QCサークルの定義】
QCサークルとは、第一線の職場で働く人々が継続的に製品・サービス・ 仕事などの質の管理・改善を行う小グループである。
この小グループは、運営を自主的に行い、 QCの考え方・手法などを活用 し、創造性を発揮し、 自己啓発 相互啓発を図り、活動を進める。
この活動は、 QCサークルメンバーの能力向上・自己実現、明るく活力に満ちた生きがいのある職場づくり、 お客様満足向上及び社会への貢献を目指す。
経営者・管理者は、この活動を企業の体質改善・ 発展に寄与させるために、 人材育成・職場活性化の重要な活動と位置づけ、自らTQMなどの全社的活動を実践するとともに、人間性を尊重し全員参加を目指した指導・支援 を行う。
引用元:「QCサークル綱領」改訂版(QCサークル本部編、一般財団法人日本科学技術連盟刊)
またQCサークル活動は、以下の3つを基本理念として掲げていますのでチェックしておきましょう。
基本理念
- 企業の体質改善・発展に寄与すること
- 人間性を尊重し、域外のある明るい職場を作ること
- 人間の能力を発揮し、無限の能力を引き出すこと
QCサークル(小集団活動)の進め方
QCサークル(小集団活動)では、メンバーの自主的な運営が基本です。
リーダー、サブリーダーの役割や、具体的な活動計画などもメンバー間で話し合って決めましょう。
またQCサークル活動は、その職場が存続する限り継続的に活動することが原則です。
よって具体的な問題解決活動はもちろんですが、メンバーそれぞれが勉強することを重視しています。
内容はこんな感じ。
QCサークル勉強内容
- QCサークル活動そのものの勉強
- 問題解決能力を向上させるための勉強(QC手法)
- 仕事をうまく進めていくための勉強
QCサークル活動の中心となるのが問題解決や課題達成の活動です。
解決しなければならない職場の問題を洗い出し、その問題を評価して取り組むべき問題を決めるとよいです。
職場の管理を実施することはQCサークルの重要な活動のひとつ。
標準類を遵守することはもちろん、標準類の変更などが必要になった場合には、自分たちで積極的にその制定・改訂を提案し実行しましょう。
一方、職場環境を良くすることは、製品やサービスの質を向上させるためにも重要なことです。
したがって、5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)に関する問題も、QCサークル活動のテーマとして取り上げると良いでしょう。
また、「現行の状態を、望ましい状態に向上させる」という改善活動は、QCサークル活動のテーマとして重要ですが、同じく「現行の望ましい状態を安定的に維持する」という維持管理も重要です。
よって悪い結果が発見された場合は、その原因をついきゅうして再発防止の処置をとる必要があります。
つまり、「維持管理」に関するテーマに取り組むことも大切です。
QCサークル活動のテーマ例
- 職場の管理(標準類の遵守や制定・改訂)
- 5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)
- 改善活動
- 維持活動
QCサークル(小集団活動)の留意点
QCサークル活動は、あくまで自主的な活動であるので、上司の方針や意見を取り上げますが、上司の指示に従うものではありません。
また職場のグループ活動ですが、関連する他職場の意見なども参考にするとよいです。
QCサークル活動を効率よく進めるためには、業種が異なっていても他社のサークル活動の調査はとても参考になります。
QCサークル推進事務局などと協力し、他社とのQCサークル交流会などを実施するのも良いでしょう。
QCサークル活動における管理者や推進事務局の役割
QCサークル活動の推進には、部課長などの管理者と推進事務局の果たす役割も重要になります。
管理者および推進事務局の役割は以下のとおりです。
しっかりチェックしておきましょう。
管理者の役割 | 推進事務局の役割 |
➀管理者自身が、QCの考え方や手法などを学び、品質管理の実践に努める
②管理者は積極的にQCサークルを指導・支援する ③QCサークル活動の評価を行い、指導・支援の反省とともに、労をねぎらい、ほめる ④QCサークルへの指導・支援・評価を通じて自らの業務に活かす ⑤QCサークルと経営者のパイプ役を果たす |
➀推進の仕組みづくりと運営
②社内全体のQCサークル活動状況の把握・評価 ③QCサークルと経営者のパイプ約 ④社外の動向把握と社外活動 ⑤教育の計画と実施 ⑥行事運営 ⑦表彰制度の運用 ⑧管理者への働きかけ ⑨QCサークルに対する支援 |
以上です。
【関連記事】
方針管理・日常管理・小集団活動★QC検定の過去問類似問題付き
ありがとうございました。