品質管理

期待値をわかりやすく!求め方や分散も合わせて解説★統計学

期待値をわかりやすく

今回のテーマは統計学や数学、品質管理にも関わる確率分野の【期待値】です。

求め方や「分散」も合わせてわかりやすく解説していきます。

一方で、関連する確率分布の種類については以下の記事をご覧ください。

確率分布をわかりやすく!種類別にていねい解説

 

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

期待値や分散とは?わかりやすく教えて

サイコロ

期待値とは、1回の試行で得られる値の平均値のことで、考えられるすべての値とそれが起こる確率の積を足し合わせたものです。

たとえばサイコロを1回ふるとき、出る目の期待値はいくらになるでしょう?

サイコロの目 確率
1 1/6
2 1/6
3 1/6
4 1/6
5 1/6
6 1/6

このとき、この事象の期待値は、サイコロの目×確率+…となるので、

1×1/6+2×1/6+3×1/6+4×1/6+5×1/6+6×1/6=21/6

=3.5

ということが分かります。

 

一方、分散とは、数値データのばらつき具合を表すための指標のこと。

あるひとつの群の数値データにおいて、平均値と個々のデータの差の2乗の平均を求めることによって計算されます。

このように、平均値から離れた値をとるデータが多ければ多いほど、分散が大きくなります。

分散を文字式で表す際は、 s2 (標本分散)や σ2(母分散) を使うことが多いです。

標本分散とは名前の通り標本の分散であり、一般的に求め方は普通の「分散」。一方、母集団の分散は母分散と呼ばれるよ。

例えば、100点満点のテストにおいて、平均点から離れた点数の人が多いと分散は大きく、平均点付近に人が集まっている場合分散は小さくなるというわけです。

 

期待値や分散をわかりやすく!求め方と基本的性質

期待値と分散の基本的性質には次の4つが挙げられます。

公式といっしょにセットで覚えておきましょう。

基本的性質 期待値と分散の求め方(公式)
①確率変数Eの各値に定数aを加えると、その期待値はaだけ増すが、分散は変わらない 期待値:E(x+a)⇒E(x)+a

分散:V(x+a)⇒V(x)

②確率変数Eの各地に定数cをかけると、その期待値は元のc倍となるが、分散はc²となる 期待値:E(cx)⇒c+E(x)

分散:V(cx)⇒c²×V(x)

③2つの確率変数の和(差)は、おのおのの確率変数の期待値の和(差)に等しい 期待値:E(x+y)⇒E(x)+E(y)、E(x-y)⇒E(x-y)
④2つの独立な確率変数の和の分散は、各々の確率変数の分散の和に等しい(分散の加法性) 分散:V:V(x+y)⇒V(x)+V(y)

一方、独立でない場合は、

V(x+y)⇒V(x)+V(y)+2Cov(x,y)となり、共分散Cov(x,y)の項があるため成り立たない

とくに④にでてきた共分散とは、2組の対応するデータ間での平均からの偏差の積の平均値のことです。

Cov(x,y)=E{(x-E(x)}{(y-E(y)}

=E(xy)-E(x)E(y)

で定義されます。

 

ココでひとつ例題を解いてみましょう。

例題)

部品Aの全長aは、母平均5cm、母標準偏差0.3cmであり、部品Bの全長bは、母平均8cm、母標準偏差0.4cmである。

商品Aと商品Bをつなげて製品Cとして製造しているときに、製品Cの全長Cの母平均と母標準偏差を求めると、

母平均=5+8=13

母標準偏差=√0.09+0.16=√0.25=0.5

となります。

 

以上です。

ありがとうございました。

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