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図面SR・SΦの意味!機械図面では球面の寸法記号!建築間取り図では?

図面SR・SΦの意味

図面に記される「SR」や「SΦ」は分野によって意味が異なります。

機械図面では球面を示す寸法補助記号で、SRは球面半径、SΦは球面直径を表し、設計者と製造者の間で形状の誤解を防ぐ役割を担います。

一方で建築の間取り図では、SRは「サービスルーム」の略で、居室扱いにはならないものの収納や書斎など多目的に活用できる便利な空間を指します。

図面での指示例も図解で解説していますのでぜひチェックしてみてください。

図面SR・SΦの意味!機械図面では球面の寸法補助記号!

機械図面において「SR」や「SΦ」という記号は、球面を表すための寸法補助記号として用いられます。

Rは半径を意味しますが、単に「R」と記すと円弧や円の半径と解釈される可能性があります。(Rについての記事はこちら

そこで「SR(Spherical Radius)」と記すことで、対象が球面の半径であることを明確に示します。

また「SΦ」は球面の直径を表す記号で、Φが直径を意味するため、球体の寸法を正確に伝えるために使われます。

SRとSΦの違い

SRとSΦの違いをまとめると以下のとおり。

記号 意味 表す対象 用途・特徴
SR Spherical Radius(球面半径) 球面の半径 球面の寸法を半径で指定する際に使用。

円弧の半径「R」と区別するために「S」を付ける。

Spherical Diameter(球面直径) 球面の直径 球体の寸法を直径で示す際に使用。

Φは直径を意味し、球体であることを明確にするため「S」を付ける。

ポイント

  • 「R」や「Φ」だけでは円や円弧と混同される可能性があるため、「S」を付けて球面であることを強調します。
  • SRは半径指定、SΦは直径指定という違いがあり、設計意図を正しく伝えるために使い分けます。

この表を見れば一目で違いが分かりますね!

そしてこれらの補助記号は、設計者と製造者の間で形状の誤解を防ぎ、精度の高い加工や検査を可能にします。

特に球面は三次元的な形状であり、図面上では誤解が生じやすいため、こうした記号を用いることで意図が明確になります。

 

図面SRの指示例

図面でのSRの指示例を見ていきましょう。

SR表記はこんな感じです。

図面SR表記例➀またSRが括弧付きで表記される場合は、参考寸法や補助的な情報として記載されているケースが多いです。

実際の加工や検査に必須ではなく、設計者が理解を助けるために添える寸法という位置づけ

さらに球半径の寸法がほかの寸法から導かれる場合には、半径を示す寸法線と数値なしの記号を用いることもあります。

【(SR)数値なしの指示例】

図面SR表記例②数値なし

【(SR)数値ありの指示例】

図面SR表記例③数値あり

図面SΦの指示例

図面でのSΦの指示例はこちらです。

図面Sφ表記例

SΦは「球の直径」を示す補助記号で、球体や180°を超える球面形状を図面上で明確に表すために使われます。

ポイント

  • S = Sphere(球)
  • Φ = Diameter(直径)

用途と使い方としては、球体そのものの寸法を直径で示す場合に使用(例:SΦ50 → 直径50mmの球体を意味する)

また180°を超える球面形状を図示する際にも用いられます。

これは半球やそれ以上の球面部分を示すときに直径で表す方が分かりやすいためです。

一方、JIS B 0001(製図規格)では、球の直径や半径を表す際に寸法数値の前に「SΦ」または「SR」を付けることが定められています。

記号は寸法数値と同じ文字高さで記入するのがルールです。

建築間取り図でSRはサービスルームの意味

建築間取り図

一方で、建築の間取り図で「SR」は Service Room(サービスルーム) を意味します。

ただし、基本的にはSRでなく、【S】と表記されていることが多いです。

SR(サービスルーム)の意味と表記例

SRは「Service Room」の略で、日本の不動産や建築図面で使われる表記です。

一般的には「納戸」とも呼ばれ、衣類や家具、書類などを収納するためのスペースを指します。

建築基準法上の「居室」の条件(採光や換気の基準)を満たさないため、居室としてはカウントされません。

そして表「3LDK+S」や「1SLDK」といった表記の「S」がサービスルームです。

例えば「3LDK+S」は、3つの居室+リビングダイニングキッチン+サービスルームという意味になります。

 

 特徴とメリット

建築におけるサービスルーム(SR)の特徴とメリットをまとめると以下のとおりです。

間取り図(SR)

  • 居室扱いではないため、採光や換気の基準を満たす必要がない → 設計の自由度が高い。
  • 収納スペースとして有効活用できる → 家具や衣類、生活用品の予備などを置くのに便利。
  • 書斎や趣味部屋など、居室として使うことも可能。

 

間取り図(SまたはSR)の 注意点

サービスルームは居室ではないため、エアコン設置や換気が難しい場合があります。

湿気がこもりやすいので、用途によっては工夫が必要です。

つまり、建築図面でのS(SR)は「サービスルーム=納戸」であり、居室ではないけれど自由に使える便利なスペースという位置づけです。

図面SR・SΦの意味まとめ

機械図面と建築間取り図での SR ・ SΦ ・ S(SR) の意味を比較してみると以下のとおりです。

記号 分野 意味 用途・特徴
SR 機械図面 Spherical Radius(球面半径) 球面の半径を示す。円弧の半径「R」と区別するため「S」を付ける。180°未満の球面形状に使用。
機械図面 Spherical Diameter(球面直径) 球体や半球以上の球面を直径で示す。Φは直径を意味し、球体であることを明確化。
S(またはSR) 建築間取り図 Service Room(サービスルーム) 居室扱いにならない納戸や多目的スペース。収納・書斎・趣味部屋などに活用可能。間取り表記では「1SLDK」「3LDK+S」などで使われる。

👉 ポイント

  • 機械図面では「球面の寸法」を正しく伝えるための補助記号。
  • 建築間取り図では「サービスルーム」を表す略号。

同じ「SR」でも分野によって意味が全く異なるため、注意が必要です。

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