今回のテーマは【ポアソン分布】
ちなみにポアソンは物理、地理、数学者とも言われたフランス出身の人物名で、本名は【シメオン・ドニ・ポアソン】
言わずもがな、ポアソン比やポアソン分布、ポアソン方程式などを発見した人です。
そんなわけで、ポアソンさんが見つけた「ポアソン分布」についてひも解いていきましょう。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉
目次
ポアソン分布の定義と関連
ポアソン分布とは、二項分布においてnP=mを一定にしてサンプルの大きいnを無限大(∞)、Pを0に近づけたときの分布のことです。
はい、二項分布とは、お互いに独立したベルヌーイ試行をn回行ったときに、ある事象が何回起こるかの確率分布です。
例えば、
- コインを5回投げた時に表2回出る確率
- 対戦ゲームで90%の確率で当たる技を10回中8回当てる確率
などを表した確率分布を指しています。
例えば、「サイコロを投げた場合1なのか、それ以外なのか?」というのを考える場合これはベルヌーイ試行ですが、「サイコロを投げてどの目が出るか?」というのを考えるのはベルヌーイ試行ではないので注意してください。
つまりポアソン分布は、二項分布でベルヌーイ試行を行ったときの、特殊な条件(nを無限大(∞)、Pを0に近づけたとき)を加味した確率分布というわけですね。
もっと具体的に例を出せば、
【〇分で平均◇回起きる現象が、△分で×回起きる確率】
を求めたいときに便利な確率分布です。
ちなみにポアソン分布も二項分布も確率分布の仲間で、種類をかんたんに分けると以下の通り。
確率分布 | ||
正規分布 | 正規分布とは、連続した左右対称な分布 | 確率密度関数f(x)=1/√2πσ²×exp(-(x-μ)²/2σ²) |
二項分布 | サンプル中の不適合品個数の分布を表すときに用いられる
お互いに独立したベルヌーイ試行をn回行ったときに、ある事象が何回起こるかの確率分布 |
確率P(x)=nCx ×p^x×(1-p)^n-x |
ポアソン分布 | まれにしか起こらない現象の出現頻度分布
二項分布においてnP=mを一定にしてサンプルの大きいnを無限大(∞)、Pを0に近づけたときの分布 |
確率P(x)=μ^xе^(-μ)/x! |
くわしくは以下の記事をご覧ください。
ポアソン分布の計算例題を解いてみよう!
さらにポアソン分布は、まれにしか起こらない現象の出現頻度分布に当てはまると言われています。
母平均μが与えられたときに事象がx回出現する確率を表すポアソン分布の一般式は以下のとおりです。
P(x)=μ^X×е^(-μ)/X!
μ:母平均:母集団の平均
x:0、1、2、3…
е:自然対数の底(2.718…)
公式を使い、ぜひ例題にチャレンジしてみてください。
例題1
ドア1枚あたりのキズ数が一定単位中に表れる欠点数の確率がポアソン分布に従うとき、キズの平均=3個である場合に、①キズが1つもない確率と②キズが1つある確率を求めなさい。
解答)
①キズがひとつもない確率はμ=3、x=0の場合。よって、
P(0)=е^(-3)
=0.0498
②キズが1つある確率はμ=3、x=1の場合。よって、
P(1)=3е^(-3)
=0.1494
例題2
30分に平均2回電話がかかって来るコールセンターにおいて、1時間に6回電話がかかってくる確率を求めなさい。
解答)
この場合、求めたいのは「1時間に6回電話がかかって来る確率」だから、「単位時間は1時間」「k=6回」となります。
μは単位時間あたりの平均回数なので「30分に平均2回」→「1時間に平均4回」から「μ=4」となります。
P(x)=μ^X×е^(-μ)/X!
μとXが求まったら、この「μ=4」と「X=6」をの上記の公式に代入してみましょう。
計算して見ると、
P(x)=4^(6)×e^(-4)/6!
=4096×0.01831563888/(6×5×4×3×2×1)
=0.104195634
約0.104という値が求まりましたね。
これはつまり、
「30分に平均2回電話がかかって来るコールセンターにおいて、1時間に6回電話がかかって来る確率は約10.4%」
という意味で、言い換えれば、
「30分に平均2回しか電話がこないなら、1時間に6回も電話がかかってくることはないだろう」と油断してはいけない、ということが分かります。
以上です。
【関連記事】
ありがとうございました。